国際交流活動
第七回国際オンブズマン会議の概要
総務省大臣官房審議官 堀江正弘
(前総務庁長官官房審議官)
はじめに
平成一二年一〇月三〇日から一一月二日まで、南アフリカのダーバンで、「政府の権力の行使とそのアカウンタビリティとのバランス―オンブズマンの役割」という総合テーマのもと、第七回国際オンブズマン会議が開催されました。この会議(大会)は、国際オンブズマン協会(IOI)(カナダのエドモントンにあるアルバータ大学に本部を置き、正式には一九七八年に設立)の総会を兼ねるもので、一九七六年のエドモントンでの第一回大会以来、四年毎に開催されているものです。日本からは、一九九二年のウィーンでの第五回大会に総務庁がオブザーバーとして初めて参加し、ブエノスアイレスでの第六回と今回の第七回大会には総務庁と全国行政相談委員連合協議会(全相協)が参加しています。この間、一九九四年に総務庁がIOIの正会員となり、全相協も一九九五年に準会員となっています。
今回の第七回大会には、総務庁からは、臨時国会のため出席できない行政監察局長に代って私が、また、全相協からは、鎌田理次郎会長と谷宗春国際業務部長が出席しました。
開催地
アフリカでのIOI大会の初めての開催地となったダーバンは、ヨハネスブルグ、ケープタウンに次ぐ南アフリカ第三の都市で、アフリカ最大とも言われるナタール港を擁するとともに、インド洋に面する南アフリカ有数のリゾート地ですが、世界の大都市の多くがそうであるように、最近は治安状態が悪く、昼間でも、地元の人ではないと分かるような格好で街を歩くのは控えるよう忠告されました。このため、国際会議場に隣接のホテル以外に宿泊の出席者は全員、毎日、チャーターバスで移動することを余儀なくされました。
一九九四年五月にネルソン・マンデラ大統領が就任し、白人支配に終止符を打った南アフリカに同国版オンブズマンである現在のパブリック・プロテクターが設置されたのは一九九五年のことですが、南アフリカは、勇敢にも、一九九六年のブエノスアイレス大会の次の大会を招致したのでした。