・契約書が送付されてきたが、契約に対する説明は受けていない。誠意がない。 (東京)
・介護支援専門員に保険証を預けたが、未だに返却されない。 (愛知)
・ケアマネージャーにケアプランを一度も見せてもらったことがない。以前謝りに来たがその後も改善がない。ケアマネージャーを変更したいが人間関係が悪くなるのは困る。訪問調査時も家族の言うことを聞いてくれない。要介護者はできないことをできるといったりし、医師もそれを信用して意見書を書いた。 (広島)
・サービス提供事業所にケアマネージャーやヘルパー等が一緒では利害がからむ仕組みであるので、ケアマネージャーは独立した第3者機関等が望ましい。 (東京)
・在宅で介護しており、今まで月に14日位はショートステイを利用していたのに、介護保険制度では、ショートステイを利用できる日数が少なくなって在宅では介護できなくなってしまう。また、介護保険制度では、何でも契約ということで契約が多すぎて面倒である。さらに、自分が頼んだわけでもないのに、医師がケアマネージャーに情報提供(ケアカンファレンス)したことについて、なぜ私がお金を払わなければいけないのか。 (埼玉)
エ. 訪問介護
介護の現場における個々の問題への対応等が苦情や相談として寄せられている。事案は、ヘルパー自身の対応のあり方にかかる問題とヘルパーの派遣のあり方などサービス事業者に対するものに分けられるが、「ヘルパーがよく代わる」「ヘルパーが来なかったり、突然知らないヘルパーが来た」など、ヘルパー派遣の配慮が足りないというサービス事業者の姿勢が問題とされている。ボランティアや社協ヘルパーと違い、少ない人材を効率的に活用しようとする事業経営も原因の一つとなっているとも考えられる。また、「介護技術が未熟」「ヘルパーの質が悪い」という苦情は、実は事業者サイドのヘルパーの人材育成が十分でなかったことなどが問題となっている。これらは介護サービスの現場で最も多い苦情の一つといえよう。
なお、今回の事例の中に直接指摘はなかったが、「異性の介護で、男性に母のおむつの交換はさせたくない」という苦情が少なくないと聞く。施設での入浴介護等でも同様な問題がある。この問題について国民生活センター編「消費者からみた介護保険Q&A」高村浩弁護士執筆の回答(210・211頁)では「契約書で、同性の職員が介護すること(同性介護)が約束されていなくとも自尊心や羞恥心といった人格上の利益を保護するうえで同性介護は必要。事業者に対して同性介護を要求することができる」とされていることを、紹介しておきたい。