資料:名古屋市が実施した「居宅サービス事業所及び介護保険施設を対象とした実態調査」
この実態調査は、介護保険制度施行後1ケ月が経過した時点で、名古屋市が居宅サービス事業所及び介護保険施設について、事業の運営状況や課題等について聞き取り調査を中心に実態把握を行ったものである。
調査は、居宅サービス事業者69事業所及び介護保険施設20施設を対象に、「介護保険がスタートして、これまでに利用者からどの様な意見や相談があったか」また「これら意見や相談にどのように対処したか」「新しい制度のスタートで困っていることはないか」「契約を締結するに際し、戸惑いを感ずることはあるか」「サービスの質を高めるために、現在取り組んでいることや計画していること」「よりよい介護保険制度にするためには、どのような点を改善すべきと思っているか、行政への要望は」などについて行われている。
これらの調査結果は、「実態調査結果から見た各事業所等の取り組みと課題等について」として取りまとめ公表されているが、事業者や施設側から見た、また、介護保険の現場の専門家から見た現状の問題提起であり、介護保険についての利用者や市民からの苦情等とあわせてみるとき、非常に示唆に富む問題提起が多いことから、以下、その概要を紹介する。
なお、詳細は、同報告を参照されたい。同調査は、居宅サービス事業所(69)及び介護保険施設(20)を対象に「各事業所等の取り組み状況と課題について」、平成12年5月1日〜31日までの1ヶ月を調査期間として実施されたものである。
○介護保険制度の理解が十分されていない
・介護保険制度の仕組みが複雑すぎて理解していない方が多く、制度説明に時間がかかってしまい、本来のサービス内容の説明が不十分となることがある。
・サービスを利用するためには、先ず要介護認定を受ける必要があるが、こうした制度の基礎的な知識すら知らない利用者がいる。
・ホームヘルプサービスの内容から見れば身体介護なのに、家事援助を希望する方が多く、身体介護だと説明すると金儲けだと言われ困っている。
○従前からサービスを利用している方の中には、利用料に対する負担感が強い
・従前からサービスを利用している方の中には、「福祉は無料」というイメージが定着しており、また措置制度においてはサービス全体の費用を示してこなかったため、介護保険の1割負担を重く感じている方がいる。
・所得の低い方の中には、サービスの量を減らし、利用者負担の増加を抑えようとする方があり、また利用量に関する相談も多い。