さらに、こうした信頼関係で動く施設オンブズマンが実効性を発揮するには、弁護士のような専門性や社会に対して公表できる能力が必要となってくる。市民主体であっても、そこには制度や介護の本質、技術を含めた知識が相当必要となってくるだろう。こうした福祉の最前線で問題解決に当たるオンブズマンこそ、ネットワーク能力を持ち、様々なノウハウや改善事例を蓄積することで、告発型とは違う協働型の本来能力を発揮できるのではないかと考えられる。
そのため、オンブズマンの形態は違えども、その知識やノウハウを蓄積できる全国センターもしくはインターネット上のヴァーチャルセンターの構築や、前述のように名古屋市でのサービスの質の向上への検討が具体事例を通して行われているのでさらなる両者の協力関係も必要となる。
最後に、こうしたオンブズマン形態は、利用者や市民に支持されて初めて活きてくるものと思われる。そのためにも、利用者や市民への周知と協力に地道に取り組むことが重要であろう。
(参考文献)
1. 大橋洋一、「福祉オンブズマンの制度設計とその運用」自治研究 第73巻第6〜7号
2. 児玉トミエ、「施設オンブズマン 3年の実践から」月刊総合ケア、Vol.8.No.8 1999年8月
その他清流苑の事務次長の児玉哲郎氏から多くのヒアリング資料をいただいた。
3. あいち福祉オンブズマンに関しては福祉オンブズマン研究会「福祉オンブズマン」中央法規 2000年、山口道宏「契約ある施設へ改善申請します」ゆたかなくらし 1999年9月号