また、登録者に対して、1年1回訪問調査をし、利用者へのサービス関係を中心に、施設設備の点検や職員、利用者との面接も行って、改善すべき点が見つかれば、勧告手続をとることとなっている。オンブズマン制度は、苦情に応じて随時対応するものであるが、苦情がなくても定期的に調査することは、新たな苦情や苦情のもとの解消につながる。
実際の苦情の中には、「やっと施設に入所できたが、みんなの前でおむつ交換が耐えられない」、「ヘルパーが指示しすぎる」などがあり、オンブズパーソンの改善勧告でサービスが向上することを見込んでいる。
東久留米民間福祉オンブズパーソンは制度的にしっかりとしたものであり、また将来的にはNPOとして自立的に活動するという目標を持っている。しかし、課題に目を移せば、登録施設数が13施設と、市内全体の43施設の一部にとどまっていることである。民間べースのオンブズマンの場合、いかにその信頼性を市民から勝ち得るかに、制度の成否がかかっている。施設の多くが、なかなか賛同しにくいのは、施設のサービスが十分でないことを表すものでもあり、これは反対に登録していない施設が「自らの施設はサービスに問題がある」と公言していることにもなる。結果として「社会的な信頼の証明」になるような制度の充実普及に努める必要がある。
事業計画の中にもあるが、登録施設の加入促進や市民への周知は、この制度の根幹に関わる重要な課題であり、オンブズマン制度の安定化とともに、じっくり腰をすえてやっていくことが慣用であろう。
(4) 市民主体型の「福祉施設オンブズマン」の設置 ―宝塚市―
ア. オンブズマン制度導入の背景
宝塚市のオンブズマン(宝塚市福祉オンブズ委員会)の設置についての設置は、平成12年の7月に市民主体に福祉サービスのあり方を問い直すため、オンブズ委員の公募が始まった。同年9月にオンブズ委員が選任され、その後月1回のペースで委員会が開催されたばかりである。宝塚市の福祉オンブズ委員は、市民主体を表明していることもあり、市民より6名を公募、民生委員・児童委員等4名の計10名を選任している。
実際には、市民公募として選任した福祉オンブズ委員が、福祉の現場の実際ならびに法令や各種知識を習得してもらうために、介護相談員養成研修を11月4日から7日まで集中研修として行い、12月5日にフォローアップ研修をおこなった。したがって、実際の活動に入っていったのは12月半ばからであり、クリスマスや餅つき会等を通して、施設視察ならびに周知活動を行っている。介護老人福祉施設4カ所、介護老人保健施設3カ所を訪問し、福祉サービスの現状把握に努めてきた。以下の表は、平成12年度の福祉オンブズ委員会活動予定であり、実際の相談活動が軌道に乗るにはもう少し時間がかかりそうである。