もともと、児玉理事長は大分市役所の職員で福祉の仕事に携わっていた。企画課で長期総合計画の福祉の分野を担当し、その後40歳で辞める前は福祉センターの所長をしていた。長期計画で福祉を担当している頃、老人ホームを見に行くと「例外なく山の中にあって施設もよくなかった」。さらに、将来推計をしてみると、とんでもない高齢化社会がくることがわかってきた。そこで、これからは高齢者が暮らすための施設福祉が非常に大切になると考え、よりよい高齢者福祉施設を創ろうと市役所をやめて、昭和55年に清流苑をつくったのである。
その後、平成5年には、厚生省の「老人福祉施設機能強化モデル事業」の一環として、自由契約特別養護老人ホーム(施設と直接入居の契約を行い、必要経費はすべて利用者が全額負担する制度)を設け、さらに平成7年にはケアハウス「ジョリーメイト」を建設した。現在、特別養護老人ホームに80人、自由契約特別養護老人ホームに12人、ケアハウスに50人のお年寄りが暮らしている。
厚生省のモデル事業である自由契約特別養護老人ホームのメリットは、入所希望者に施設選択の自由を認めること、契約に基づき必要経費を自己負担としているので民間サービスと同じようなサービスのクオリティを要求できること、自分の選択により入所するため従属感が少ないこと、特別養護老人ホームの入所待機者が多いのに対し別枠であるため比較的入所しやすいこと、などである。
児玉理事長は三つのタイプの施設運営にかかわり、特別養護老人ホームでは、お年寄りに「何か意見や不満はありませんか。何でもいいですからいってください」と促しても、返事はいつも「何にもありません。満足しています」「いつも良くしていただいて感謝しています」と、具体的に何の注文も出てこないという。