介護保険制度の導入に伴い、これらの高齢者とその家族は、介護サービスの多くを自己の判断においてサービス事業者との契約により利用することとなった。そのため、利用者と事業者の間に様々なトラブルが発生することが予想された。こうしたトラブルの解決に市がすべて対応することは困難である。介護サービスが円滑に提供されるためには、関係各機関が連携を図っていくことが必要である。
関係機関の役割の位置づけは図II2-(1)のようになる。大阪市は保険者として、被保険者である市民からの相談や苦情に対応し、関係各機関と連絡を取りつつ迅速な解決を図る。居宅介護支援事業者は、利用者とサービス提供事業者双方の接点として、サービスに関するトラブルを把握し、市と連絡をとる。大阪府国民健康保険団体連合会は、大阪府が指定した介護保険の事業者が提供するサービスに関する苦情について、苦情処理委員による審理や調査を行い、改善を図る。大阪府はサービス事業者の指定を行う機関として、事業者に対する指導を行い、関係機関の広域的・総合的指導及び調整を行う。