2. 大阪府下における取り組み
介護保険制度には、利用者保護のため、複数の苦情処理制度が組み込まれている。苦情相談の第一次的窓口は市町村である。この他に、居宅介護支援事業者、国保連合会、都道府県、介護保険審査会等が介護保険法に定められた苦情処理機関である。しかしこれだけでは介護サービスの質をチェックし、きめ細かく利用者の権利を保護していくことは難しい。そこで、利用者からの苦情や相談を受け、調査を行い、必要に応じて改善勧告などを行う第三者機関、介護保険版のオンブズマン制度等を導入する動きが各地で進んでいる。以下では、大阪市の「おおさか介護サービス相談センター」、枚方市の「福祉オンブズパーソン」、大阪府内に本部を置くNPO「介護保険市民オンブズマン機構・大阪」の三つの取り組みを取り上げ、それぞれの制度の概要、組織形態・機能などを検討する。
(1) 「おおさか介護サービス相談センター」の設置 ―大阪市―
大阪市は平成12年10月24日から「おおさか介護サービス相談センター」の業務を開始した。このセンターは、介護保険のサービス等に関する相談・苦情を受け付け、法律や福祉などの専門的な立場から苦情解決を図ることを目的として設けられたものである。介護サービスの利用者と事業者、保険者から中立的な立場にある第三者機関である。
制度の概要
(ア) 第三者機関設置の経緯
大阪市は大都市であり、高齢者の数が多い。また表II2-(2)のように、全国平均に比べて高齢者の一人暮らし、高齢者夫婦のみの世帯が多く存在している。高齢者の介護は非常に重要な問題である。