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(5) 「サービス相談調整専門員制度」の設置 ―武蔵野市―

ア. 制度導入の背景

武蔵野市では、介護保険事業計画を策定するにあたり、平成10年1月に助役を委員長として関連する部課長並びに市の関連団体(社会福祉法人武蔵野、財団法人武蔵野市福祉公社、社会福祉法人武蔵野市民社会福祉協議会、社会福祉法人至誠学舎東京、日本赤十字社東京都支部)の管理職員計18名で「介護保険導入庁内推進委員会」が組織され、検討を重ねていたが、平成10年12月には、要綱によって3名の公募委員を含む「介護保険事業計画策定委員会」が設置された。この策定委員会は、平成10年12月15日から平成12年3月7日まで、13回の委員会を開催し、別に設置されていた「高齢者保健福祉計画策定委員会」とともに、市長に最終報告を行っている。

このような経緯を経て制定された「武蔵野市介護保険事業計画」は、その基本理念として1]高齢者介護は人生の最終局面を荘厳なものとして支える視点が重要であること、2]介護サービスの量的な充実を図りながら、質の向上も重視すること、3]最期に本市に住んでいて良かったと思える制度づくりを目指すことを掲げている。

この事業計画では、「VII.介護保険制度の円滑な運用のための事業」において、「利用者の権利とサービスの質を守る体制の整備」に関し、「苦情相談対応」について触れ、「苦情そのものが、サービスの受給についての相談と混ざり合って出てくる実情を考慮して、サービス相談調整専門員を配置し、保険者として認定結果の不服やサービスの苦情などにこまかく迅速に対応するため、利用者等からの苦情や相談を受け、介護保険法による苦情(行政の行う処分に対する不服申立てやサービスの質に関する苦情)処理を行う他、必要な事前調整」を行うことを掲げている。さらに、介護保険条例の制定にあたっては、このサービス相談調整専門員についての設置規定を設けることも明記している。

これをふまえて、平成12年4月1日に施行された「武蔵野市介護保険条例」では、第6条において「市は、法第183条に規定する処分に対する不服申立てに必要な事務並びにサービスの質の向上に関する調査、指導及び助言に必要な事務を行うため、サービス相談調整専門員を置く」と規定している。

 

イ. 制度の概要

サービス相談調整専門員の業務としては、まず、要介護認定等に関連するものとして1]「介護保険法第29条」に基づき、要介護状態区分に不服のある当該被保険者に要介護認定・要支援認定の再申請を促すこと、2]「介護保険法第183条」に基づく審査請求に至る前の事前調整、東京都介護保険審査会との連絡調整、審査請求に対する処分庁としての弁明書の作成などがあげられる。次いで、サービスの苦情に関連するものとして、1]「介護保険法第23条」に基づき、保険給付を受ける者又はサービス提供事業者等に対し質問や照会を行うこと、2]「介護保険法第23条」に基づき、市が必要と認めるときは、保険給付を受ける者又はサービス提供事業者、指定居宅介護支援事業者等に対し文書その他の物件の提出又は提示を求める(依頼を含む)こと、3]基準に基づき、指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者等に対し改善に向けた指導や助言を行うこと、4]「介護保険法第77条並びに84条」に基づき、指定居宅サービス事業者、指定居宅介護支援事業者等が不適正な事業運営を行ったり、不正請求があった場合、市がその旨を都道府県知事に通知すること、5]国民健康保険団体連合会との連絡調整並びに共同調査などがあげられる。

 

 

 

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