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調査後の処理

調査の結果は、苦情の申立人に通知する(同条例第15条)。また、調査の結果、オンブズマンが必要と認めるときは、区に対して高齢者福祉サービスの決定や内容を是正するよう勧告する。制度を改善するよう意見表明をする場合もある。さらに、介護サービス事業者には、調査の結果、区を通してサービスの改善の要請をすることもある(同条例第16条)。

区は、オンブズマンからの勧告や意見表明を受けた日から60日以内に、是正等の措置についてオンブズマンに報告しなければならない(同条例第14条)。この勧告や意見表明の内容や区の対応状況の概要は、区報等を通じて区民に公表する(同条例第17条)。公表にあたっては申立人などの個人情報等の保護には最大限の配慮を払う。

なお、申し立てを行なうとき必要な「苦情申立書」は、広聴相談・保健福祉窓口、保健福祉センターに、「苦情申立書」を同封したパンフレットが置かれている。

申請の内容

事務局である企画部広報公聴課「高齢者福祉オンブズマン」担当に、4月から8月までに、4件の事案が申請された。その内、2件は、申立人と協議し問題が解決された。また、他の2件は、1件が区の窓口で解決し、もう1件は、高齢者福祉外の申し立てであったため調査を行なわなかった。このような事例から、苦情の多くは、情報や説明の不足から発生するため、区の窓口や事業者連絡会等を通じて解決を図れるものが多いという。

以上、足立区の「高齢者福祉サービス苦情等解決委員会」、板橋区の「介護保険苦情・相談室」、大田区の「高齢者福祉オンブズマン制度」について、制度の概要や活動の内容を概観し、また介護保険に関する「相談・苦情の件数・内容」についてみてきた。3区とも、介護保険における利用者からの「相談・苦情」に対応する取り組みとして、オンブズマン機能を取り入れた新たな「仕組みづくり」を積極的に展開してきたところに特色がある。しかし、こうした新しい仕組みを通じて、介護サービス利用者の苦情等の情報をいかにして入手し、加工し、提供していくのか、そのために担当課や在宅支援センターなどとどのように連携していくのか、あるいはまた第三者機関としての立場をどのように担保していくのかなど、今後解決していく必要のある重要な課題も抱えている段階にあるようだ。

次に、上記のようなオンブズマン機能に加え、「介護サービスの向上」という視点から、介護サービス利用者の相談・苦情に積極的に対応しようとしている品川区の「サービス向上委員会」の取り組みについて、検討していくことにしたい。

 

 

 

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