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・現行制度の負担の不均衡を是正し、高齢者も応分の保険料や利用料を負担

4] 画一的でなく、多様で効率的なサービスを提供

5] 社会的入院の是正などにより、医療費を効率化

6] 民間活力の活用

・民間事業者や農協、住民参加の非営利組織など多様な事業主体の参加

・有料老人ホーム(株式会社)でも介護保険のサービスを提供

 

(2) 介護保険法に関する基本的考え方

介護保険法では、1]「ケアの社会化」2]「ニーズ中心主義」3]「市場原理の応用」4]「相互扶助」5]「地域主義」の5つの基本的方向性が明示されている(社本修他「介護保険法の底流」東京法令出版2000年、27〜29頁)。

1] 「ケアの社会化」

この法の目的では、第1条にあるとおり、要介護状態になった高齢者の自立を援助し、保健医療福祉サービスを提供するために介護保険制度を設け、国民の福祉の増進を図ることとしたものであるが、70年代半ば以降のオイルショックや安定経済の終焉、固定的な家族構造やライフスタイルの多様化などが、措置制度を中心とした行政運営型福祉制度の限界を「国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度」の設置、つまり「ケアの社会化」と明示しているのである。

第1条は「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。」とされている。

2] 「ニーズ中心主義」

第2条第3項には、「被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、…総合的かつ効率的に提供されるように配慮して行わなければならない」と記され、利用者のニーズに応える利用者中心の制度であることを示している。また、介護保険を運用する自治体においても、地域住民の社会的ニーズを把握するために介護保険事業計画の策定と、3年ごとの社会的ニーズ把握と計画見直しを義務づけているのである。

3] 「市場原理の応用」

同様に、第2条第3項において保健福祉医療等のサービスは「多様な事業者又は施設から、…提供」されなければならないと明示し、介護保険の制度・財政面は国が運営管理し、サービス提供部分は民間事業者やNPOなど多様な介護サービス事業者に委ねるという二元的な形で「市場原理」を導入する制度であることを記している。

 

 

 

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