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その後、平成7年7月に社会保障審議会が「社会保障体制の再構築―安心して暮らせる21世紀の社会を目指して―』において、抜本的な社会保障体制の再構築には介護保険体制の整備が不可欠であるとし、時を同じくして老人保健福祉審議会においても『新たな高齢者介護システムの確立について(中間報告)』で介護保険制度構築に必要性を提言し、その後具体的な法案作成の作業が着手されていった。そして、平成9年12月9日に、これまでの介護保険の検討結果が「介護保険法」としての成立をみたのである。

この新介護システムの採用は、いままでの特別養護老人ホーム、老人保健施設、老人病院などの施設福祉と在宅福祉施策などを含めた公的老齢年金・医療保険全体にかかわる社会保障全体の「構造改革」を意味するものであった。そのため、国の社会保障政策の基本方針は、行政が個々人への介護サービスの内容を決定していた「税によるサービスの提供」から、給付と負担の関係が明確な「社会保険方式によるサービスの提供」へと、転換されることとなった。

平成12年4月に施行した介護保険制度の下では、サービス利用者(要介護者等)は、「自己選択と自己責任」において施設・居宅介護サービス提供事業者と契約を行い、その契約に基づき、介護サービスの提供を受けることとなった。そのため、介護サービスの利用者は、基本的には、介護保険制度で義務づけられている施設・居宅サービス提供事業者の相談窓口や、ケア・プランを作成した居宅介護支援事業者(ケア・マネジャー)などを通じて、苦情等の解決を図ることとなった。

介護保険法の導入目的

まず、介護保険法の基本的な趣旨を考えてみたい。介護保険の基本趣旨としては、旧厚生省が介護保険制度導入に際して次のような理由を付している。

 

1] 介護に関する国民の不安に対応するため、福祉と医療に分かれている高齢者の介護に関する制度を再編成し、利用しやすく、公平で、統一的な社会的支援システムを構築

・介護保険は、現行制度に比べ費用を効率化するとともに、今後の構造改革の道筋をつける第1歩

・少子高齢社会に向けて、社会保障制度を再構築し、国民負担の増大を抑制

・国の画一的基準から、自治体運営による地域性の反映、競争原理の導入

・現場性の重視

2] 利用者が、自由にサービスを選択して利用できる仕組み

3] 介護に関する福祉と医療のサービスを総合的・一体的に提供

・医療保険改革の一環として、医療から介護部分を切り離し、医療保険を効率化

 

 

 

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