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その要点は、司会の畑教授が締めくくりの挨拶の中で述べておられますので、これをご紹介し、要点整理に代えさせていただきます。

『私の方から最後にまとめということで申し上げますと、皆さんの討論の要点は、次の4点であったと思います。

i 行政相談委員制度が、一般の市民には良く分かっていない。どこに行政相談委員がいて、その方の得意分野はどうなのか、そういったことを新聞などを活用してもっとPRして欲しいということ。

ii 私たちの周辺を見ても、近年、国・地方公共団体を通じて色々な相談制度があるが、国民は一体どこに、どういう問題をもって行ったらいいのか、というようなことを明らかにしつつ、もっとそれらの相談機関が相互に調整し合っていくことが必要ではないのかということ。

iii 行政相談委員は、有識者ではあるけれど、必ずしも各人が様々な問題に通じているわけではないので、相談事案を的確に処理するために、行政相談委員の自己研鑽が必要ではないかということ。

iv 相談を受ける者の心得としては、「常識」を武器に、「和」を重んじることが必要であるということ。また、問題の解決に当たっては、同様の事柄を個別に処理していくのではなく、出来る限り一括処理することが必要であるということ。』

 

3] 招聘者と行政相談委員との意見交換

中国四国管区行政監察局長室において開催された、海外からの招聘者との意見交換会には、6名の行政相談委員が出席されました。

意見交換会は、主として各行政相談委員から、海外のオンブズマンに対し、その活動状況等について質問をするという形で進行しましたが、そのうち、オンブズマン事務所の事務処理体制について、それぞれ次のような説明がありました。

(香港)

私の事務所には調査員として5チームあり、このうち2チームは「直接調査」(一定の要件を満たしている場合に行う本格的な調査)を行うチームです。その他の3チームは、苦情を受け付けてから必要に応じて調査に入るチームです。そのうち1番目のチームは教育、福祉、高齢者に関すること、2番目のチームは税務など、3番目のチームは住宅などが課題となっております。この5チームの他に評価チームというものがあり、「直接調査」に着手すべき問題の有無を探るため、情報の収集を行っております。

(ヴァヌアツ)

オンブズマンのスタッフは25名、このうち4名はカナダ、オーストラリアなどの英連邦の国からヴァヌアツに移住し、アドバイザーとしての役割を果たしており、これらの人が中心となって地元スタッフの教育・研修を行っております。1997年オンブズマン法は廃止されましたが、オンブズマンの権限は、憲法で規定されているので、現在はこれに基づいて活動しています。

 

 

 

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