第1点は、社会環境の変化に応じて、国民の行政に対するあらゆる苦情に対応できる方策を検討する等、便利で総合的な苦情処理の仕組みをどのように作っていくかということ。
第2点は、行政相談委員のみでなく、地方公共団体のオンブズマン、その他各種相談(委)員など各制度相互間で日常の相談業務の連携を強化するということ。
第3点は、積極的な交流を図り、情報交換をますます展開していこうということ。つまり、苦情救済制度の周知・徹底を図るため、ポスター、チラシ、広報誌、新聞、テレビ、ラジオ等の活用が必要であるということ。
以上の3点は、本日の議論の共通認識として、いずれも私たちの納得のいくものであると思います。仙台フォーラムの結論といってもいいかと思います。』
3] 招聘者と行政相談委員との意見交換
東北管区行政監察局長室において開催されました海外からの招聘者との意見交換会には6名の行政相談委員が出席されました。
意見交換会においては、海外から招聘したオンブズマン、行政相談委員の双方からそれぞれの制度の概要や日常の相談活動の状況等について説明が行われ、あるいは相手方の発言に対して意見を述べ合う等活発な話し合いが行われました。特に、エルウッド氏は、日本の場合、総務庁の行政監察局、行政相談委員及び行政苦情救済推進会議が一体となってオンブズマン的機能を発揮していることについて、「このような機能は諸外国のオンブズマンの機能と比べ全く遜色のないものである」との認識を示されるなど、大変意義のある意見交換となりました。
(3) 広島フォーラム
広島フォーラムは、平成10年11月11・12の両日、広島市の「八丁堀シャンテ」において開催され、参加者は約300名でありました。
第1日目は、午後1時に開会し、先ず海外から招聘した二人のオンブズマンによります特別講演が行われ、休憩の後、畑近畿大学法学部教授の司会によりまして、各界の有識者によるパネルディスカッションが行われました。また、第2日目は、午前10時から中国四国管区行政監察局長室において、海外から招聘した二人のオンブズマンと行政相談委員の代表との意見交換会が行われました。
広島フォーラムの概要は、以下のとおりであります。
1] 海外オンブズマンの特別講演
広島フォーラムには、香港のオンブズマンのアンドリュー・ソウ氏及びヴァヌアツのオンブズマンのマリー・ノエル・パターソン氏の両氏を招聘しました。
講演において、ソウ氏は、苦情を申し出ることは、市民の権利であるということを市民自身に認識してもらうため、i)講演会やセミナーによる普及・啓発、ii)小・中学校でオンブズマン制度について教えるための教材の作成、iii)アニメーション・キャラクターによる公共広告を作成してテレビ放送を行っているなど、活発な広報活動の実態を報告されました。また、パターソン氏は、ヴァヌアツのオンブズマンの職務の中には、政府の指導者の行動に関するものもあり、そのために国会議員によるオンブズマンヘの個人的な攻撃があることなど、特異な状況について説明されました。さらに、ヴァヌアツでは、日本の行政相談委員制度をモデルにして、オンブズマンの活動に協力してもらうためのボランティア制度を導入したことを報告されました。
次に、両氏の発言のポイントを紹介させていただきます。