1時過ぎから、海外から招聘した二人のオンブズマンによります特別講演が行われ、休憩の後、本田日本大学法学部教授の司会によりまして、各界の有識者によるパネルディスカッションが行われました。また、第2日目は、午前10時から東北管区行政監察局長室において、海外から招聘した二人のオンブズマンと行政相談委員の代表との意見交換会が行われました。
仙台フォーラムの概要は、以下のとおりであります。
1] 海外オンブズマンの特別講演
仙台フォーラムには、パキスタンのナショナル・オンブズマンのアブドゥル・シャクルル・サラム氏及びニュージーランド首席オンブズマンのブライアン・エルウッド氏の両氏を招聘しました。
講演において、サラム氏は、パキスタンのオンブズマン制度は大統領命令によって設立され、憲法によって保障された機関であることからその勧告の実効性は非常に高いことを強調され、また、エルウッド氏は、オンブズマンの職権は、対立当事者に対して、どちらか一方が勝ったとか負けたとかいうことを知らせるものではなく、両方に妥当な解決策を受け入れてもらうために「説得」をするものであるとの見解を示され、行政相談の「あっせん」に通じるものがあると思いました。
次に、両氏の発言のポイントを紹介させていただきます。
(サラム氏)
オンブズマンの調査結果と勧告は、いつもその責任者に受諾されることになっております。もし、オンブズマンの勧告を受諾できない場合には、その理由を説明できることになっておりますが、説明された理由が根拠のないものである場合は、勧告はそのまま実行されなければなりません。オンブズマンの勧告を最後まで無視するようなことがあれば、オンブズマンは、その旨を大統領に報告することができます。オンブズマンの勧告を受け取る責任者は政府の最高レベルにいるので、そのような職にある人は、誰も大統領の前に呼び出されたくはないので、そのような事態はまだ発生しておりません。
(エルウッド氏)
オンブズマンの機能は、国民の側から請求があったものに対して調査を行い、拘束力のない緩い勧告を行うというものであり、オンブズマンは、説得力をもって関係者に勧告を受け入れてもらうという機関です。勿論、勧告は、相手方にとって不本意なものですから、喜んで受け入れられるというものではありませんし、時としては、しぶしぶ受け入れてもらわなければならない場合もあります。関係者双方が納得し、お互いに歩み寄って、前向きに対処してもらうことになります。
2] パネルディスカッション
パネルディスカッションは、日本大学の本田教授の司会により、各界を代表する6人のパネリストによって熱心な討論が行われました。
その要点は、司会の本田教授が締めくくりの挨拶の中で述べておられますので、これをご紹介し、要点整理に代えさせていただきます。
『議論の要点を3点ほどにまとめることができるように思います。