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その内、書面による苦情申立てが183件で、その内容は、1]事務処理関係、2]庁舎、県有地管理関係、3]許認可、入札事務関係、4]土木建築関係、5]騒音、環境関係、6]業者指導関係、7]その他、となっており、ほぼ全部局にまたがっている。

苦情申立ての一番多いのが、土木建築関係で、公共工事等、事業量の多い事が関係していると思われる。次に多いのが、事務処理関係で、その中には、職員の対応についての苦情も含まれている。

救済、改善の状況については、申立ての趣旨に沿ったもの45パーセント、行政に不備がなかったもの55パーセントとなっている。

 

5 提言、意見表明について

これまで、行政オンブズマンから県知事に意見表明したもの8件、提言したもの1件となっている。

1] 意見表明したものの中に、「首里城周辺の混雑緩和について」があり、首里城公園を訪ねる観光客の交通阻害、雑踏などで、観光客も付近住民も困惑し、非常に不愉快な思いをしているので、早急に対策を検討されたいとする内容のものであった。

その結果、i)首里城への進退路コースを一方通行にした。ii)屋台土産品店の営業場所を仮設店舗に集中した。iii)正規のタクシー乗り場を設置した。iv)守礼門の団体写真撮影場所を、歓会門に移し、撮影場所に線を引き、はみ出さないように撮影場所を指定した。v)バス駐車場を増設した等の改善が図られた。

2] 意見表明したもう一つの例として、タバコの吸い殻や、空き缶のポイ捨て行為が後を絶たないので、条例を作って取り締まって欲しいという苦情を受け、サミットを控えて、県内各地でクリーンアップ作戦が展開されている中で、「汚さない」という意識を高め、全ての県民が環境美化に努めることは、大切なことであることから、「環境美化推進について」の意見表明を行った。

それを受けて、条例制定を視野に入れ、関係部局で検討することになった。

3] 提言については、県職員の電話対応が不親切でそっけなく、電話を取っても名前を名乗らない等、対応が悪いとの苦情があり、「県職員の電話の対応について」の提言を行った。

その結果、総務部人事課、自治研修所において「接遇ハンドブック」を作成し、本庁、出先機関を含め全職員に配付し、県民サービスに努めると共に、新規採用職員への接遇研修、特別研修を通して、職員への啓発が図られている。

4] 苦情処理を通して改善した事例として、「高校生の国外留学生募集要項(国費・県費)の応募資格要件から本籍条項を外してもらいたい。」との苦情申立てがあった。本件は、沖縄県に本籍を有する高校生のみが対象となり、両親が本土から移り住んで、沖縄県で出生し小学校、中学校、高等学校と在学しているにもかかわらず、本籍が沖縄県に無いとの理由で応募出来なかったもので、そのような、取扱いは改善して欲しいというものであった。

 

 

 

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