〔事例1〕 女性だけに求められている被扶養者申立書の提出を廃止してほしい
(申出要旨)
私は、国立療養所に勤務しているが、夫の所得の方が少ないことから、4人の子どもを扶養している。この子どもは、共済組合の被扶養者に認定されているが、毎年1回私が扶養している旨の申立書を提出しなければならない。男子職員が子どもを扶養している場合においては、この申立書の提出は求められておらず、女性についても提出しないで済むようにしてほしい。
(処理結果)
国立療養所に苦情の趣旨を伝えるとともに、実情を聴取したところ、女性職員から申立書を徴する根拠規定はないが、子どもの扶養者は父親となっていることが通例であるため、確認のため申立書を徴しているとの説明を受けた。
しかし、主として申立人の収入により生計を維持していることを確認するため夫の源泉徴収票を徴しており、女性職員から申立書を徴する明確な必要性が認められないことから、検討をお願いしたところ、国立療養所は、その必要がないと判断し、申立書を徴しないこととした。
〔事例2〕 海外滞在中のための雇用保険の受給期間延長申請ができなかった受給資格を認めてほしい
(申出要旨)
私は、夫の転勤に伴い、2年間米国に滞在し帰国した。
渡米直前までの6年間ほど会社勤務をしており、帰国後、失業給付を受けながら求職活動をしようと管轄の公共職業安定所に問い合わせたところ、「受給期間延長の届出」がなされていないので失業給付を受ける資格がないといわれた。渡米までの間、毎月雇用保険料を納めていたにもかかわらず、ただ1枚の「届出」の有無によって帰国後に給付が受けられないことに納得できない。救済してほしい。
(処理結果)
管轄の公共職業安定所に苦情の趣旨を伝えるとともに、申出人の資格喪失届を確認したところ、1]申出人の確認印がないこと、2]これによって、事業主が申出人に離職票を交付していなかったばかりでなく、誤って資格喪失届を出していたことが判明した。
これらのことから、本件は、雇用保険法施行規則に規定されている「やむを得ない理由」の「申請者への離職票の到達の遅延により、期限内に受給期間延長申請を行うことができない理由」に該当するものであるとして、申出人は、会社から離職票の交付を受け、受給期間延長申請書を提出することにより失業給付を受けられることとなった。