(司会)
とかく、行政は政治が前提になって、その政治の下で行われるものだという位置付けがなされております。そうしますと、政治の影響を受けない行政というのも現実ではあまりないと思われますが、しかし、それを何とか乗り越えて独立性を保つためには、やはり、オンブズマン制度というものが、一つの可能な制度として考えられる、というようなお答えでしたので、その面からの説明としては非常に分かりやすかったと思われます。
それでは、次に宮城さんにお尋ねでございます。
「沖縄県の行政オンブズマン制度に対する認識を深める手段として、ホームページの開設も行っておられるという紹介がありましたが、行政オンブズマン制度についての県民の認識度とか、意識調査のデータはありますか。もしあれば紹介してください。」
以上です。
宮城氏
お尋ねの認識度とか意識調査のデータはございません。ございませんが、間接的に推測されるのは相談とか苦情件数だと思います。この5年間に1,900件の相談が参りまして、最初の年は非常に多かったのですが、だんだん中だるみ状態になっておりまして、また、最近増えております。「掘り起こし」といったらおかしいのですが、PRは必要だと思います。先程、この4月から県民相談コーナーを、県庁ロビーにありますオンブズマン室に併設したと申し上げましたが、このような相談体制の一本化ということも、オンブズマン制度を県民に知っていただく上では、一つの有効な方法だと思います。国・県・市の合同相談も、去年はサミットの開催地の名護で致しましたが、そのようなことも含めましてPRを拡充したいと思っております。
(司会)
意識調査は行っていないが、最近の相談件数の傾向からすればやや周知度が高まっていると見られるということでした。その一つに、相談窓口の一本化・総合化ということもあるのではないかということで、このことが周知度を高める手段としてある程度成功したのではないか、というようなご趣旨ではなかったかと思います。
それでは、山本さんに対する質問でございます。
「一個人が行政を相手に訴訟にまで持ちこむというのは、相手が強大な権限と無限の資力、時間を持っているのに対し、限られた費用と時間を考えると踏み切るためには相当の覚悟が必要になると思う。実際に担当された経験から、硬直した方針を改めればここまで追い詰められなかったのではないか、訴訟にまで至らずに済んだのではないか、そのための不服審査とか事前の解決手段・制度が機能していないのではないか、そのために行政苦情救済制度が果たすべき役割を痛感されたことがあれば、紹介して欲しい。」
以上です。