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坂本氏

一つ目の、「熱意はどこから出てくるのですか」ということですけれども、実は、利己的な面があるからではないかと思います。行政相談活動を行っておりますと、私自身にとっての反省材料を提供されることがございますし、また、取り扱う事案などから、私自身いろいろ教えられる点が多々あるということでございます。実は、私、昭和56年以来、行政相談委員をしながら、最近まで大学で図書館学を教えておりました。そこで学生たちを指導していくときに、行政相談で受け付けました事案を一つの教材として使わせていただいたこともありました。このようなことで、熱意といわれますと大変申し訳ないのですけれども、実情は只今申し上げたようなことでございます。

 

二つ目についてですが、資料を見ていただきますと、「苦情要望事案の行政分野別内訳」という表があり、件数の多いものから、道路、社会福祉、交通安全、国土・都市計画、生活衛生・廃棄物となっております。私がこれまで受け付けました相談は、「交通安全」に関するものが比較的多くありましたが、6年か7年か前に「生活衛生・廃棄物」の関係の事案をかなり扱っております。実は、私が受けました相談事案の中で、残念ながら未解決のままで終わったというのは、この分野の事案の中に何件かありました。

一方、市(区)町村の行う業務や民事に関するもの等、行政相談委員の取り扱う対象とされていないものについても、門前払いせず相談の内容をよく聞き、相談者に市等の相談室や担当の窓口をお教えしたり、市に関係するものでその内容が簡単なものは、口頭で連絡し、市では前向きに対応していただいております。

お答えになったかどうか分かりませんが、以上です。

 

(司会)

熱意の方は、自分のことなので語りにくかったようですが、本当に坂本さんは情熱的にされております。

それでは次に、野田さんですが、2つ質問が出ております。一つは、質問というよりも希望でしょうか。「九州では初のオンブズマン制度導入ということで頑張って欲しい。」というエールでございます。2番目は、次のような質問です。

「住民から苦情を受けられた場合、政治家としての立場と市長という行政の長としての立場では、解決の方法も異なるのではないかと思われる。このような場合のお考えをお聞かせ頂ければ有り難い。」

以上です。

 

野田氏

お答え致します。まず1番目のオンブズマン制度導入の件でございますけれども、先程申し上げましたように、1月の選挙に勝たせていただいたらということで、是非とも実現するよう頑張って参りたいと思います。

それから2番目の件ですが、皆さん市長という職は、行政と政治がどれくらいの割合とお感じでございますか。私は、恐らく8割が行政で、2割が政治である、と思っております。あるいは、極端な話をすれば政治は1割くらいかもしれません。よく「政治的判断」ということで、一夜にしていろんなことが覆ることがありますが、私、これはだめだと思うのです。ですから、私自身はなるべく政治的には物事を考えないようにしています。当然主役は市民であるということで、市民の立場に立って問題を解決していかなくてはいけない、ということが一番のポイントだと思います。ただ、先程から選挙の話ばかりしているのですが、選挙が近づいてくると少し政治家の部分が、これは当然出てくるのです。これは、現実論として仕方がない部分でございます。ですから、私先程申し上げましたように、その政治的な部分が入ることが非常に危険であるから、その政治色がない中立的な人として「オンブズマン」(いわゆるジャッジ)に苦情の処理をお願いしたい、と考えているのです。

 

 

 

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