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このため、一般の市民にとっては、この間のつながりというものを理解することが非常に難しいと思います。従って、この先、「公的オンブズマン」の制度を地方にも根付かせていくとすれば、やはりオンブズマン以外の、日本的な言葉を考える必要があるのかなと思います。別に、名称を世界的に統一する必要はなく、実質が同じであればいいわけですから、日本的な名称にするのがやはり正解ではないかなと、本日のいろいろなご議論や先生のお話を伺って考えたことでした。

いずれにしろ、今丁度21世紀を目指しまして、情報公開法、情報公開条例、国もそして福岡県でも行政評価システム等々さまざまな準備がなされております。この中でやはり、今住民の方は自分の問題に自分が関わって解決しようと、初めてそういう意思とそのプロセスを模索している段階に来たのだと思います。

 

私、本日のお話を伺って、皆様方の、日ごろの相談者としてのご経験を是非地方の制度の中に根付かせて、私どもが毎日送っているこの社会の中で、生きた制度として、これからも多くの人々に活用されるようになればいいなあと、しみじみ思った次第です。

 

(司会)

訴訟を専門とされる弁護士のお立場から、この行政苦情救済制度というものが行政情報公開制度等の新しい制度とどう関連しながら今後展開すべきか、そういうお話を伺いました。

それでは、最後に、西日本新聞社論説委員会委員であります馬場さんにお願いします。

 

市民の立場に立った行政苦情救済制度を

 

馬場哲郎 (西日本新聞社論説委員会委員)

 

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馬場でございます。

私の発言要旨は、資料に書いておりますので、参考にしていただきたいと思います。

私は最近のいくつかのニュースから、やはりオンブズマン制度は、自治体が先行して導入していくのがよいのではないかというふうに考えております。

実は、最近のニュースの中で、介護保険制度のスタートに伴って「介護タクシー」というのができまして、ホームヘルパーの資格を持つ運転手が、自宅から病院あるいは介護施設に行く場合、タクシーの乗り降りなどを介助することで、県から「介護報酬」を得る代わりに運賃は取らない、ということにしていたタクシー会社に対し、運輸局が「それは違反だから料金を取りなさい」という指導をした、ということを1週間か10日ほど前のニュースで知りました。

 

 

 

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