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従いまして、この県民相談コーナーで受け付けたものでも、オンブズマンが処理することが適当であると思われるものは、こちらに回してくるということにし、お互いに横の連携を取っております。オンブズマン室は、2人のオンブズマンと3名の事務職員で計5名ですが、相談コーナーには7名の職員がおりますので、全体としては合計12名で県民の相談に対応していることになります。

それから一般の県民・市民というのは、自分の相談したいことが国に関係することなのか県あるいは市に関係することなのか分かりません。国の場合は、行政監察事務所が対応されておりますし、県の場合は、もちろんオンブズマン室が担当しておりますので、例えば、オンブズマンの所に国の事案がきた場合は行政監察事務所に移送し、また、行政監察事務所に県の事案がきた場合には私どもの方に移送してもらうという協定を結びまして、これを実施しております。従いまして、沖縄行政監察事務所、沖縄県行政オンブズマン相談室及び市町村の三者による1日合同行政相談の場合も、沖縄は離島県でございますので、離島の宮古や八重山等では、一緒に相談所を開設しているということでございます。先般、石垣島の八重山で行った合同相談の際、県立病院の脳外科や小児科に医者がいないとか、MRIの機器がないということで、どうにかしてくれという要望がございましたので、担当部局に改善方を申し入れたところでございます。

 

それから、補足しますと、沖縄では、庶民のことを「ウマンチュ」といっております。これは、沖縄は500年来武器のない、平和な国を国是としておりまして、庶民が政治・行政の主体であるということだと思います。我々も今の言葉でいいますと、要するに県民の視点といいますか、住民の視点に立った行政の推進が要請されていることだと思います。行政オンブズマンも「県民相談役」とか、あるいは「ウマンチュ相談役」として対応していくことが必要であると考えております。今後、情報公開、あるいは地方分権の進展、さらに、行政への評価制度の導入というようなこともあり、今後、オンブズマンの役割はますます増大すると思います。がんばりたいと思います。どうも有難うございました。

 

(司会)

宮城さんからご紹介がありましたように、沖縄県は都道府県レベルでは全国で初めて一般的なオンブズマン制度を導入した県であります。その後、4県か5県増えておりますけれども、全国に先駆けたという名誉ある地位を持っておいでです。そういうお立場からオンブズマンの取り扱い実績についても、件数とか具体的な事案の説明をしていただきました。

それでは、次に弁護士の山本さんにお願いします。

 

 

 

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