沖縄県行政オンブズマンの宮城でございます。
先程、ジャコビーさんのお話を拝聴しまして、大いに参考になりました。今後ともいろいろ勉強していきたいと思います。
それでは、資料に書いておりますことを補足しながらご説明をさせていただきたいと思います。
ご案内のとおり、国におきましてはオンブズマンという名称のポストはございません。総務庁の行政監察局がその役割を担っておられるということです。一方、都道府県段階におきましては、沖縄県が平成7年の4月に導入しまして、それが最初でございます。これは、知事の公約されたことが実現したということでございます。沖縄のオンブズマン制度も発足して丁度5年になります。これまでに約1,900件(年間400件弱でございます)の相談(苦情・要望)が寄せられております。去る8月、台湾の台北市でもオンブズマン制度を導入されたいということで、局長以下が調査にお見えになるなど、多忙な1年だったということでございます。
ここで、沖縄のオンブズマンが取り扱いました事例を2〜3ご紹介したいと思います。
これは資料の中にもございますが、一つは首里城の周辺の整備でございます。首里城は沖縄のシンボルでございまして、年間約400万人の観光客がみえているわけです。このため、付近の住民から交通の混雑を緩和できないかという声がございまして、オンブズマンが提言したわけでございます。混雑緩和のための改善策は、10項目くらいありましたが、観光バスの停留所の増設、タクシーの駐車場の新設というようなことで決着をみました。去る7月にはここでサミットの晩餐会が開催されまして、そこから世界へ発信したということはみなさんご存知のとおりだと思います。
もう一つは、高校生が国費、あるいは県費で海外へ留学するという制度が沖縄にはございますが、その募集要項に本籍条項と言いまして、沖縄に本籍を置く人しか受験できないということがございました。これにつきまして、「私は十数年沖縄に住んでおり、税金も払っている。子供が丁度この留学に応募する適齢期ですが、本籍がたまたま沖縄にないということで、これに応募できないのはおかしいではないか」という申出がありました。県では、文部省との関わり合い等いろいろございまして、当初非常に渋っていたのですが、この国際化時代に沖縄モンロー主義といいますか、やはり、この本籍条項はおかしい、ということで結局この条項をカットするということで決着をみました。
以上、取り敢えず二つばかり事例をご紹介させていただきました。
次に、相談窓口の一本化でございます。
沖縄県の場合、オンブズマン室というのは、県庁の1階ロビー側にございます。この部屋に、県民相談コーナーを併設致しております。先程、申し上げましたとおり、オンブズマンは年間約400件の相談を受け付けておりますが、県民相談コーナーでは約1000件くらいの相談があります。