81) 8月4日の第2回顧問会議に提示された「中央省庁等改革に係る立案方針事務局原案」では、「基本法及び最終報告において具体的に言及されていない事務及び事業についても、検討対象を幅広く設定の上、独立行政法人化に向けて具体的検討を進めるものとする」とされている。なお、以下で顧問会議の議事録、配布資料は首相官邸ホームページによっているが、便宜上、補注は割愛する。
82) 最終報告の別表に掲げられたもの以外で検討対象となっていたのは以下の機関・業務。科学警察研究所、関税中央分析所、国立教育研究所、国立特殊教育総合研究所、国立感染症研究所、国立医薬品食品衛生研究所、通商産業研究所、気象研究所、高層気象台、地磁気観測所、国立学校、計量教習所、統計センター、社会保険業務センター、気象衛星センター、登記・供託、造幣・印刷局(経営形態の在り方の検討)、貿易保険、航空交通管制(オペレーション部門)、航空保安大学校、海上保安庁水路部、気象庁(気象観測業務)、職業紹介、国土地理院、官庁営繕。第7回顧問会議(10月30日)での「事務事業、組織等整理効率化検討状況」についての事務局の報告による。
83) 第7回顧問会議での配布資料1「事務事業・組織等整理効率化検討状況」。および『朝日新聞』『毎日新聞』1998年10月31日付。『日本経済新聞』1998年10月29日付。
84) 最終報告別表に掲載された73機関・業務のうち最終的に独立行政法人化を見送られる5機関・業務を除き、もっとも省庁の抵抗が激しかったのが建設省の土木研究所で、族議員を巻き込み「徹底抗戦」の状況であったとされる。「独立行政法人化対象機関の攻防」『月刊官界』1999年2月号、162−169頁。こうした経緯もあって、建設省の土木研究所と建築研究所の独立行政法人化が決定するのは12月18日までずれ込んでいる。『日本経済新聞』1998年12月19日付。
85) 『毎日新聞』1998年10月31日付。たとえば、職業紹介業務が検討対象となっている労働省では、労組(全労働省労働組合)も労働省とほぼ同じロジックで反対を申し入れ、自民党の労働部会も反対決議を行っている。
86) 野中官房長官の記者会見(10月27日)での発言。『朝日新聞』1998年10月28日付。同時に総理官邸では関係省庁の行革担当者を呼んで省庁と労組のあり方について質すなど、抵抗を排除する姿勢を強めていた。『毎日新聞』1998年10月31目付。
87) 推進本部は11月6日に73機関・業務については例外なく独立行政法人化する方針を固めており(『朝日新聞』1998年11月7日付)、11月20日に決定した「国の行政組織等の減量、効率化等(スリム化)に関する大綱事務局原案」でも73事務・機関が列挙されている。『朝日新聞』1998年11月20日付。