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2) 96年5月3日に読売新聞は「内閣・行政機構改革大綱」を提言するが、そこには省庁を1府9省に統合、再編するという内容が含まれていた。読売の省庁半減の提言は新進党や民主党に影響を与え、両党との対抗上、結果的には自民党の政策にも影響を与えたとみられる。

3) エージェンシー制度導入の先鞭をつけたのは柳沢氏であった。同氏は「私も(自民党行政改革本部事務局長を・筆者補注)引き受けちゃった以上、何か新機軸を出さなきゃいかんといろいろ考えて、これでいこうといったのが企画立案と執行の分離だった。」と述べている。田中一昭・岡田彰『中央省庁改革』日本評論社、2000年、192−193頁。なお、柳沢氏がエージェンシー制度の構想をまとめるにあたっては、建設省出身で当時国会図書館専門調査員の三本木健治氏(同氏には「英国エージェンシー化政策の状況(資料抄録)」『調査と情報』第292号、1997年1月の著作がある)からアイデアを得たという。

4) 田中一昭・岡田彰、前掲書、18頁。なお当初の案では、政策立案部門と制度執行部門の「分離」という強い表現が使われていたが、発表の段階では「適切な距離を設ける」に改められている。『日本経済新聞』1996年6月19日付。

5) 『毎日新聞』1997年3月6日付。

6) 当初、エージェンシーは「外庁」と呼ばれていた。柳沢氏によるとこのネーミングは前掲の三本木氏のアイデアによるものだと言う。田中一昭・岡田彰、前掲書、193頁。

7) 『読売新聞』1996年8月24日付。

8) 『読売新聞』1996年8月24日付。

9) 自民党関係者は道路管理や印刷、社会保険などの執行部門は外庁がふさわしいとコメントしている。『毎日新聞』1996年8月31日付。

10) 『日本経済新聞』1996年8月31日付。

11) 省庁再編について、新進党は、まずは15省庁、最終的には10省庁への再編、民主党は8分野への省庁再編を公約した。そして自民党も22省庁の半減を打ち出している。

12) 行政改革会議事務局OB会編『21世紀の日本の行政―行政改革会議活動記録―』行政管理研究センター、1998年、1024頁。

13) 『産経新聞』1996年10月31日付。

 

 

 

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