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その他、貿易保険、通商産業研究所、国立大学等については引き続き検討するとしている。こうして推進本部は1月26日に「中央省庁等改革の推進に関する大綱」を決定し、独立行政法人の制度および対象機関・業務はほぼ固まった。

その後4月6日には、さらに4機関・業務(貿易保険、通商産業研究所、大学入試センター、駐留軍等労働者の労務管理等事務)が加わって88機関・業務となることが内定する。さらに最後まで懸案として残されていた印刷・造幣については、独立行政法人化されることで決着が図られ93)、結果、独立行政法人化の対象は90機関・業務94)となり、4月27日に「中央省庁等改革の推進に関する方針」が閣議決定される。約7万人の国家公務員を独立行政法人の職員へと移行させる方針がここに定まったのである。そのうち「非公務員型」となるのは国立少年自然の家、国立青年の家、貿易保険、通商産業研究所の4機関、1000名弱にとどまり、大半は公務員の身分が維持される結果となった95)。なお、国立大学については2003年までに結論を出すとして、先送りすることが確定した96)

 

4. 独立行政法人制度導入の正式決定

(1) 通則法の制定と各党の反応

独立行政法人制度の導入は、独立行政法人通則法(以下、通則法)と各法人の個別法の制定によって正式決定される。通則法は独立行政法人に共通する制度や運営方法等の基本を定めるもので、個々の独立行政法人の名称や目的、業務等は各個別法に委ねられた。通則法案は第145回国会(1999年の通常国会)、個別法案は第146回国会(1999年の臨時国会)にそれぞれ提出された。

通則法案は1999年4月に上程され、衆院では「行政改革に関する特別委員会」の審査を経て6月10日に可決、参院では「行財政改革・税制等に関する特別委員会」の審査を経て7月8日に可決、成立した。個別法案(「独立行政法人通信総合研究所法案」など59法案97))は99年11月に上程され、通則法と同じ委員会での審査を経て、11月25日に衆院、12月14日に参院でそれぞれ可決し、成立した(この他2000年5月には1個別法が成立)98)。これにより、のべ59の独立行政法人が一部後発組を除いて2001年4月から出発することが決定したのである99)。以下では国会における法案審議の過程と各党の反応をみよう。

 

 

 

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