(出典) P.Greer, Transforming central government, 1994, p.30.
ただし、1部加筆、修正。
(2) 最近の研究動向
筆者が注目した最近の研究業績の一つは、サン・マルタンの『新経営管理主義国家の形成』7)である。この書物の中で、サン・マルタンは第一に、1980年代後半からいくつかの国家が導入したさまざまな新経営管理主義(new managerialism)イニシアティブの外見上の収斂ではなく、政策変種を説明しようとする。新経営管理主義アイデアの採用は、財政危機およびグローバリゼーションのプロセスによって決定された直線的な道に従うのではなく、そのアイデアの政策への影響は制度的、政治的要素に従って多様であると彼は論じている。
第二に、国家はますます市場などにその機能を奪われることによって「空洞化」(hollowing out)してきたと信じる論者とは異なり、政策決定における国家の重要な役割を強調する。
第三に、彼のアプローチは基本的に歴史的であり、時系列的に官僚制改革ポリシー間の関連を探求しようとする8)。
こうして官僚制改革に関する文献レビューを通じて、NPMアイデアの台頭と行政分野でのポリシー変化を説明する少なくとも三つの広範なアプローチを彼は識別している。
第一はイデオロギー的解釈と名づけられているものであり、経営管理主義的アイデアの出現とその浸透を、1980年代後半のニュー・ライトの台頭と結びつけている。