6.6 まとめ
(1) 軽量コンクリート(比重1.8)、超軽量コンクリート(比重1.4)とも良好な充填性を有することを確認した。
(2) 軽量骨材は比重が小さく(絶乾比重約1.3)、打設して締め固める時に軽量骨材が浮き上がる現象が一般に見られるが、採取したコア表面の軽量骨材の分布に偏りは見られず、厚さ140?の壁でも材料分離等を起こさず、十分施工できることが確認された。
(3) コアの圧縮強度は、気中養生を行ったテストピースの圧縮強度と同等以上であり、良好な充填性を裏付けるものと考えられる。
(4) 軽量コンクリートの引張、曲げ引張及びせん断強度は、軽量骨材の強度が小さいために、総じて小さく、必要に応じ鉄筋による補強を行う等の対策が必要と考えられる。
(5) より自然条件に近いと考えられる気中急速凍結融解試験では、超軽量コンクリートが良好な結果となっている。なお、軽量コンクリートの耐凍結融解性(耐凍害性)は、絶乾状態の軽量骨材を使用することで改善できることが知られており、このような対策を施した軽量コンクリートは、水中急速凍結融解試験でも優れた耐久性を示すことができる。