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7. 係留装置の水槽試験計画

7.1 水槽試験の目的

シミュレーション計算を基に検討し、簡易係留方式として有望であると考えられるヨーク・ばね係留方式の実用性を実験的に確認する。本係留システムの基礎的な特性と、シミュレーション計算で予測できなかったような非線形現象の有無も確認するため、規則波中及び不規則波中実験を行い、係留装置の実設計に利用できる設計データを取得する。また、浮体喫水の影響及び岸壁影響について、理論解析法の基本的な推定精度を検証するための実験データも取得する。

 

7.2 実験方法

ヨーク・ばね係留方式による波浪中での浮体係留実験を行う。対応水深での実験をするため、図7.1に示す三菱重工業(株)長崎研究所 浅水域水槽にて実施する。供試模型の縮率は水槽の造波能力及び計測精度を考慮して下記程度とする。

模型縮率:1/S=1/16

(1) 浮体模型

Case2(コンクリート比重γ=1.5t/m3)の場合を代表の浮体模型の状態とする。Case1、Case3についても一部の条件下で実験を行い、喫水影響について調査する。各ケースの浮体主要目を下表に示す。

 

069-1.gif

 

(2) 係留装置模型

係留装置としてのヨーク装置及び係留ばね装置は実機の特性を模擬できるようにする。係留装置模型の設計に先だって実機の概念設計も行い、これを模型化する。図7.2に示す実験配置図のように、係留装置を固定する陸側係留点を設ける。岸壁模型は岸壁・浮体間の距離を変更できるようにする。

(3) 波条件

規則波及び不規則波の波条件を以下に示す。

規則波中試験

 

069-2.gif

 

 

 

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