3. 複合一貫輸送用の鉄道業務
港湾施設を経由する国際コンテナの大半は、複合一貫輸送用の鉄道施設を使っている。つまり、鉄道と海上の両方の輸送モードを使ったサービスである。例えば、日本から輸入されたコンテナがシアトル港を経由して鉄道でシカゴに輸送されれば、これが複合一貫輸送である。この複合一貫輸送サービスの進展は、鉄道サービスを速くて効率的にするという大きな要望を伴ってきた。鉄道事業はこの国際コンテナ貨物輸送に集中するようになってきた。40フィートコンテナを2列搭載できるダブルスタック車両は、複合一貫輸送の効率性向上に大きく寄与してきた。Burlington Northern/Santa Fe鉄道("BNSF")およびUnion Pacific鉄道("UP")でシアトル港とタコマ港のすべてのコンテナ列車を運用しているが、一貫してこの国際貿易における主な構成メンバーとなっている。
港湾開発に影響する、この複合一貫輸送の鉄道業務のトレンドとしては、
・ダブルスタック車の利用が増えている。
・船社による国際コンテナ物流として、複合一貫輸送の選択が多くなっている。
・埠頭内鉄道を使用することで、トラックによる横持ち(drayage)を減らそうとしている。
・EDI(Electronic Data Interchange)の使用増加やその他貨物の流れを容易にする管理上の改善が進んでいる。
現状のT18の場所には埠頭内鉄道ヤードがある。提案されているT18プロジェクトでは、この施設を最新鋭の埠頭内複合一貫輸送用ヤードに拡張し、同時に2つの路線の違う列車に荷役ができる。また、到発着数も増え、保管用線路も整備される。そのような施設を採用するのも利用者の声を反映したものである。現状、今の複合一貫用施設では全コンテナ数の約5%しか扱っておらず、今の段階では、取扱能力が逼迫しているように見えない。しかしながら、そのような能力を高めた施設を提供すれば、借受者はたえず顧客の要望に応えることが出来るし、借受者が新規顧客を誘致する際の助けになる。さらに、借受者はEDI利用の主導者である。この特徴と完成する埠頭内鉄道施設をもってすれば、T18と借受者は、これからの市場競争において効果的に戦えるのである。
複合一貫輸送にとって、主な州間高速道路へのアクセスは大事なことである。シアトル港は、このT18の施設を含むが、州間高速道路網に合流できる管理されたアクセス道路に直結しており、コンテナ貨物をバンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州)、Spokane(ワシントン州)、ポートランド(オレゴン州)、Boise(アイダホ州)とシアトル港の間で輸送できる。最も頻繁に利用する高速道路は、インターステート5号とインターステート90号である。