・推定されるコンテナ取扱量を扱うには現状の複合一貫用鉄道施設ヤードは不十分なキャパシティである。
・T18のトラック用ゲートが現状、相当混んでいること。
T18の拡張と改良の必要性はさらに以下の事情により、後押しされる。
・シアトル港の他のターミナルでは裁くことのできない追加スペースを要求しているテナントや利用者がいる。
・T18はシアトル港における船社の要望事項に対して最善の機会を提供することができる。(V章C.1.a参照)
・国際貿易の成長に歩調を合わせて、すべての西岸港湾はその西岸港湾の推計西岸貨物量を受け入れるために、拡張する必要性があること。(V章C.3節参照)
シアトル港はポストパナマックス船を受け入れできる最新鋭のコンテナ貨物施設としての地位に高めるため3億6540千億円をかける事業を企画している。この事業はいくつかの異なるプロジェクトからなる。それは、航路の浚渫、新しいポストパナマックス用クレーンの追加、T18の施設拡張などである。この全体計画の一つに起債整備事業がある。
改良工事が完了すれば、T18はシアトル港における最も近代的な港湾の一つになるし、西岸における最大ターミナルの一つになる。この拡張はピュージェット湾(米国Washington州北西部にある太平洋岸の湾)と通してコンテナ物流のシェアを大きくすることで、T18の競争力を高めることになろう。
A. 夕ーミナル18拡張と再開発事業計画(単に「事業計画」と略記)
1. 当地の歴史
T18はElliott湾の南端にあるDuwamish川の河口部分にある、ハーバーアイランド(Harbor Island)に位置している。シアトルの都心から約1マイル南西のところである。
この430エーカー人工島は1895年に初めて建設され、その後数回の拡張事業を行っている。
この島で数多くの産業活動が行われてきているため、様々な産業合成物と廃棄物の垂れ流しが、1895年の島の建設以来生じている。それらの産業活動の結果として、この場所では数多くの環境問題が存在する。これはこの報告書のIV章D節において議論する。
2. 既存のターミナル18
T18は複合一貫輸送のコンテナ海上輸送ターミナルである。それの意味するところは、コンテナ貨物をターミナルにおいて、船、トラックと鉄道間で、貨物を詰め替える必要なしに、積み替え輸送できることである。Harbor Islandの東側に位置する106エーカーの土地に位置している(図1参照)。その土地は、Elliot湾、西航路、東航路、そしてDuwamish川に囲まれている。T18は11th Avenue Southwest通りと東航路の間に位置している。T18の岸壁延長は6,000フィートであり、そのうち4,900フィートがコンテナ船用の5バースに供されている。合計8基のコンテナ船の荷役をするクレーンが配備してある(レール間隔30フィートのパナマックスクレーンが2基と、同30フィートのポストパナマックスクレーンが3基、同50フィートのポストパナマックス用クレーンが3基)。