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さらに我々のターミナルの経済性分析、財務分析のために以下のことを仮定する。

・起債整備事業の開始通告は1999年11月1日になされる。同時にプロジェクト完成が28ヶ月後と示される。

・起債整備事業において建設・運営するためのすべての許可、認可、承認または許可修正事項は適時に入手できるものとし、必要となる許可・認可・承認における変更事項は、プロジェクト完成期日における実質的な遅延や起債整備事業における大きな費用増加をもたらすような設計変更を生じさせるものでない。

・EPC請負者(EPC = Entire Project Completion,全施設を一括請負すること)は、EPC請負契約に準拠して起債整備施設を建設すること。

 

第III章 背景

 

シアトル港は米国における最も大きな港湾の1つである。1998年コンテナ取扱量(throughput)で5位であった。米国港湾で取扱高の多いのはロングビーチ港、ロサンジェルス港、ニューヨーク/ニュージャージ港、とオークランド港である。

 

シアトル港はコンテナ貿易を発展させる幾つかの強みをもっている。

・環太平洋地域との関係における地理的位置

・ポストパナマックス船がそのまま入港できる天然の大水深港(ポストパナマックス船を迎えるには50フィートの水深が必要である)

・BNSF鉄道とUP鉄道を使って内地の市場への優良なアクセス

・T18を始め、港湾をめぐる管理された道路が州間高速道路へ直結していること

 

港湾の有利性の他に、海運産業の発展でより深い水深のアクセス、少なくと50フィート水深の航路を必要とするポストパナマックス船の使用が増えてきた。それらの船舶が経済的に使用できるようになったのは、船腹共有協定(VSA: Vessel Sharing Agreement)つまり船社コンソシアムや船社アライアンスが登場してきたことによる。そこではある船社は、他の船社の船にコンテナを積むことができる。そのような船舶の利用は、大きくて効率的なコンテナターミナル(container terminal)施設を必要とし、ふくらんだコンテナ物流の貨物量を効率的に取り扱うために、埠頭鉄道施設などの効率的で便利な複合一貫輸送施設を必要とする。このトレンドがT18プロジェクトを後押ししている。

 

港湾局は以下の事情により、T18の拡張が必要であると判断した。

・ターミナルのコンテナヤードの現状キャパシティーが上限に近づいている。その状況は、ターミナルが扱える将来的なコンテナ船とコンテナの数量に限界を与えてしまう。

 

 

 

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