4)PSAの運営収支
PSAは、ターミナル運営、マリンサービス、CFSと倉庫業、物流業、不動産業、国際業務と多岐に渡る。ターミナル運営がその収入の6割以上を占めると考えられる。(PSAに再確認必要)、1996年を例(資料参照)にとると、収入が約S$19億(1330億円。1S$=70円で計算)であり、S$2億(140億円)の材料・労務外注費を引くとS$17億(1190億円)の付加価値を創造している。これを、約7,000人の雇用者数で割ると一人当たり、S$24.3万(1701万円)である。
S$17億の付加価値は、その20.4%が人件費、19.4%がシンガポール政府に(土地のリース代に当たるものか。)、60.2%(ざっと720億円)が内部留保金とされた。97年10月以降分からは、民営化により、PSAは政府に対して、ライセンス料、ターミナルリース料、法人税、さらに株式配当金(現状政府が100%所有)を払うことになる。毎年、この程度の額の利益が生じるのであれば、あれだけの海外投資も可能となるわけである。
5)MPAの運営収支
97年の収支(資料参照)を見る。運営収入は、その9割近くは、入港料とマリンサービスでまかなっており、全体でS$1.5億(105億円)、その他の収入として、海事厚生料、航行サービス、訓練費、賃料などがあるが、マリンサービスは具体的に何を指すのかMPAへの確認が必要。これに対して、運営費用はS$O.76億かかっており、このうち人件費が43%、減価償却費が13%を占めている。これで、差し引きS$0.74億の営業収益であるが、これに営業外収益を加え、20%の政府のConsolidated Fundへの拠出金を引くとS$0.61億(43億円)が97年にためた余剰利益となっている。