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7)トラック運送(Container hauliers)

 

シンガポール国内のコンテナ貨物(トランシップ・コンテナに対して、ローカル・コンテナと呼ぶ)にヤードからの移動は、荷主または委託されたフォワーダー手配の運送業者による。そこには、もちろん荷主の自家用トラックもと考える。PSAのBOXNETのシステムで、ヤード内のコンテナ情報とリンクして、トラック事業者との間でオンラインでヤードヘの搬入とヤードからのコンテナの引き取りをリアルタイムでやり取りする。このシステムを通して、指定された時間にヤードに向かうので、日本などのようにゲート前で無用な待機時間を消費しなくて済んでいる。PSAでは、この運送事業者のことをhaulierと呼ぶ。(haul:「牽引」するの原義あり)

 

8)ゲート管理(Gate management)

 

PSAが行う。通関用のゲートもあるが、通関書類のやり取りはPSAの職員が関税局の仕事を代行していると考えられる(要確認)。トラック運転手は、登録カードをゲートの機械に挿入し、記録作業が完了すると速やかにヤード内へ進入していく。コンテナ番号の自動認識システムを開発しているが、どこまで実用的かは未確認。ゲート処理の速さは、通関のあるコンテナ積みトラックで、1台25秒以内に完了するという。このゲートはトランシップ貨物のターミナル間の移動時はもちろんのこと、ローカルカーゴの出し入れに関しても24時間オープンである。(通関業務も24時間体制)

 

9)検数作業(Tallying)

 

シンガポールではコンテナ貨物に関して、検数作業はないとPSA広報担当者は述べていた(筆者は日本の実体もよく知らないので、これ以上述べようがない。)

 

10)倉庫業(Warehouse)

 

シンガポールには自由貿易区(Free Trade Zone:広域総合保税地区)が臨港部に配置され、その中でPSAによる総合物流ターミナルであるディストリパーク(Distripark)が経営されている。ここで、LCLを集約しFCLに詰め込む作業を行っているし、保税貨物に流通加工が出きるように、スペースを民間事業者に貸し付けている。このFTZ内でのこのような倉庫業は、現状PSAだけに許されている。(民営化後、他業者の参入を許すかは、関連当局にヒアリングしないと不明。また、FTZ内の余剰土地の状況も未調査)

しかし、FTZの外では多くの民間業社が倉庫業を営んでいる。とくに、倉庫業のための営業免許はいらないとのことである。また、PSAは倉庫業に飽きたらず、民間企業からのサードパーティロジスティクス(3PL)の業務委託を数件受託してきている。

 

 

 

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