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142人のパイロットをフレックス制で雇用し、ピークタイムの作業に当たらせる。98年は108,000件のパイロット業務をこなした。97年の実績では99%のパイロット業務が30分以内に終了している。(シンガポールは98年時点で、世界の600の港と400の定期航路で結ばれ、年にざっと10万を越える船が寄港してくる)

 

3)タグサービス(Towage, Tug Services)

 

PSAマリーンのサービスであるが、これは97年の段階から、MPAによって、完全自由化の意向が示され、PSAだけの業務でなくなってきている。その自由化のステップは、

1]フェーズ1:古い船の取り替えでないと新しいタグボートを作れない制限を撤廃。さらに、新造船をPSAに用船したり、タイム貸しする要項を免除する。

2]フェーズ2:免許を取得した業者には、98年3月より、ジュロン港、造船所、オイルターミナルでの操業を許可する。

3]フェーズ3:99年7月または市場動向をみてそれ以前に、PSAの在来・コンテナ・旅客ターミナルを含めて免許業者にタグサービスを許可する。(実際には、99年3月に完全自由化された)

この完全自由化で、PSAの他に民間5社にタグサービスが公的にライセンスされた。他のタグ会社を自由な競争状態で選択し、よりよいサービスを船会社が受けれるようにするものである。これが、具体的に実効あるものとするため、MPAは99年7月にthe Maritime Services Systemを立ち上げ、利用者がそこで、タグ会社を自由に選べ、サービスの注文ができるようにする。

PSAマリーンは、54人のタグマスターと23隻のタグボート(内8隻は用船契約)で、98年に99,000件のタグサービスを実施した。このサービスの90%以上は15分以内に終わるとのこと。

 

4)綱取り(Line handling)

 

この業務は、PSAが行うが、作業員は外注している。PSAが本体以外の作業員を使用しているは、この業務を含めて3つあり、残りは荷役作業とコンテナの横持ち作業である。

 

5)荷役作業(Container Handling, Stevedorage)

 

コンテナの荷役に関して、PSAは1ギャング6人で構成する。監督員1名、クレーンオペ1名、荷役作業者(玉掛け合図、スタッカー合番、ラッシング作業)が船内2名と岸壁2名である、荷役作業者はラッシングワーカーと呼ばれ、この荷役作業が、所定の能率を確保できない場合は、契約違反となって、外注契約は解約される。また、外注業者にも能率給の部分があるので、怠けることはもともと回避されている。PSAは機械のオぺレータ(自前)については独自によく訓練させているようである。

PSAの荷役の特徴は、CITOSなどの情報通信システムを使用して、いかに効率よく荷役のギャングとホーリアと呼ばれる横持ちのトレーラーを一隻の船に着かせて作業するかということであり、トレーラーが遊ぶ状態が見られると横のキークレーン(quay crane、日本でいうところのガントリークレーン)と1ギャングを追加してまで、作業密度を上げる。

 

 

 

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