3]CITOS(computer Integrated Terminal Operations System)
ターミナル運営の特にヤード管理に関する総合的なシステムで、これによりすべてターミナル運営が計画され、指示が発信される。エキスパートシステムで今後のバース利用と取扱貨物の情報がポートネットに蓄積されたものから、具体的にどのギャングがどこのバースに、個々のコンテナをどこのヤードのどの位置にストックすべきであるかが the Central Yard Control Computerに集積・処理され、その結果が、ターミナルの機械オペレータに無線通信で指示される。これは、以下のサブシステムより構成される。
・Berth Allocation Systems: 7日前までに申し込みのあった船に対して、使用バースを選定する。
・Stowage Plannnig Systems: 貨物の種類や次の出荷港を事前に分析して、ベストの荷下ろしシークエンス計画を作成する。
・Yard Planning Systems: 出荷港と出荷時期を考慮して、不要な積み替えやシャッフリングが生じないように、常時10万個はあるコンテナのヤードスタッキング計画を作成管理する。
・Ship Operation System(SOS)は荷役開始時に、横持ち作業者(prime movers)にPrime Mover Development System(PMDS)を通して作業要求を出す。
・Yard Crane Development System(YCD): クレーンの作業状況を全体的に監視し、稼働している横持ち作業が遊ばないようにクレーン作業を管理する。
・Automatic Position Indication System(APIS): スタックされたコンテナの位置を自動的に、中央管理室に送り、またヤードクレーンの位置もモニターする。
・Gate Automation System: CCTVカメラ、センサー、トランスポンダー、並びにContainer Number Recognition System(CNRS)を活用し、コンテナ運送業者の速やかなゲート通過を実現させるもの。これにより、入荷されるコンテナの80%は30秒以内にゲート処理が完了する。
・Control Room System: ヤード全体の作業・機械を監視し、トラブルや渋滞の生じている部分に対して、早急な救援策を講じる。
この他に、海運情報を集約したMAINS(Integrated Maritime Information system)や、諸料金の支払いや資金調達をオンラインで行うFinancial EDIを提供している。
PSAの他に、公的機関が提供するシステムとして、EDI-FACTに準拠しているトレードネットが貿易通関の申請のために存在し、これはポートネットとその共通データ部分がリンクしている。
4]TRADENET
このシステムは貿易産業省のTDB (Trade Development Board貿易開発庁)の所轄であり、シンガポール政府機関(PSA・税関・貿易開発庁等の許認可権限をもつ機関や保税上屋の運営に携わるもの)と輸送会社(船社・航空会社)及び荷主間をリンクしたデータ交換システムであり、輸出入の許可、港湾業務、統計作成、通関の申告から許可までをペーパーレスで行うことが可能とするもの。