日本財団 図書館


その使命は、シンガポール港の国際的な地位の確保と、シンガポールを国際海運センター(International Maritime Centre)にすることにある。また、港湾開発のマスタープランもここが最終的な責任をもつ機関となる。

コンテナ船に関連する実務上の管理役割は大きく言って、海の部分がMPAであり、陸の運営がPSAである。航路の管理・安全標識・入港許可などはすべてMPAで行う。インフラ整備も航路・防波堤・埋立と岸壁はすべて国(MPA)の仕事となり、PSAはヤードの舗装から、ガントリークレーンを含めてターミナルの上物整備を行う。その際、PSAはターミナルの整備にあたって、政府より長期使用のライセンスを獲得し、ライセンス料・リース料を国に払っている。これは、旧ターミナル(民営化以前に整備されたもの)も同様の仕組みである。港湾利用者も入港料と係船岸壁料はMPAに支払い、コンテナ荷役料はPSAに支払う。このように、MPAがシンガポールの港湾管理者(ポートオーソリティ)であり、PSAコポレーション(以下PSAと略記する)がターミナルオペレータである。

かつて、両者が一体であったときは、規制管理する部門とターミナル利用者の顧客サービス部門が一緒だったので、内部で規制管理と柔軟性のある対応の狭間で葛藤し、顧客の要望に100%対応できない状況も生じていたが、これが分離されたことにより、PSAは顧客サービスのビジネスに専念できるようになった。

 

3)シンガポールの港湾関連行政の役割

 

港湾に関連するシンガポール政府の港湾に関連する行政部門をリストアッブする。

 

総理大臣

-国土開発省(Ministry of National Development)

・都市開発局(URA: Urban Redevelopment Authority)

臨海部を含めた国土のゾーニング(要確認)

-通信省(Ministry of Comunication)

・港湾局(MPA: Maritime and Port of Singapore Authority)

港湾の行政とマスタープランの作成、入出港管理

・内陸輸送局(LTA: Land Transport Authority)

ターミナルアクセス道路の建設

-通産省(Ministry of Trade & Industry)

・ジュロン公社(Jurong Town Corporation)

ジュロン港のターミナル運営(他の港はPSAの運営)

・貿易開発局(Trade Development Board)

Trade Netの提供

-大蔵省・関税局

関税業務

-外務省・入国管理局

入国管理

-健康省・検疫局

検疫管理

-???・港湾警察(Marine Police)

(以上、日本語名等やや不正確な部分があり、再調査で正確さを期す必要あり)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION