シアトル港がユニークなのは、6つあるコンテナターミナルのうちSSAだけがインデペンデント(船会社から独立した)なターミナルオペレーターである。船社専用ターミナルならばある程度貨物の予測ができる。
しかし、船社によっては独自のターミナルを持つことを希望しない会社もあり、かといってライバル会社のターミナルを利用するのもいやな会社がある。そこで、ポートオーソリティとしても、すべてが船会社または関連のターミナルオペレーターではなく、少なくとも1社は独立系のステベを確保したいのではないか。
2]リース契約
30年の長期契約で、年間に1エーカー当たりの料金である。貨物料には関係しない。土地のリース料は5年ごとに、クレーンの使用料は1年ごとに上がる。契約期間の変更は恐らくできないと思う。
クレーンの料金が毎年上がるのは、ポートオーソリティがクレーンの維持管理を行い、必要ならば更新しなければならないので、その費用を加算する必要がある。(今は自分の所ではないかもしれないが、その内順番が回ってくる)
ユーザーは自分でガントリークレーンを所有したいという希望を出しているが、クレーンの使用料はポートオーソリティの重要な財源のひとつなので、認めてくれないだろう。
30年リースで平均すると、土地のリース料は65,000ドル/エーカー/年程度ではないか。
カリフォルニアではコンテナ貨物料によってリース料が決まっている。
6. オペレートについて
・オペレーターと船会社との契約については、ポートオーソリティは一切関与しない。
・ターミナル内のバースの使用については、船社を特定して使用させることはない。たまたま同じバースにということはあるが、着岸するバースの決定はSSAが行う。
7. 政府の補助について
政府の補助で一番有用なのは浚渫であろう。例えばコロンビア川河口部に位置するポートランド港などにとっては非常に有用である。しかし連邦政府の補助は常に公平である。
ただし、カリフォルニアの港は少々違う。カリフォルニアはワシントンDCで強い力を持っており、オークランド港では閉鎖された海軍基地(200エーカー)を無料でオークランド港に与えたし、ロングビーチ港では海軍のシップヤードをロングビーチ港に与えた。
8. コンテナ取扱効率化への投資
Terminal 18に関しては、カーゴハンドリング施設の投資とコンピュータシステムの開発がある。コンピュータシステムについては、ロングビーチ、ロサンゼルス、オークランドに続いて、シアトルにおいても新しいシステムを今入れている。
この他、1年前、ソルトレイクシティに全米100港での船舶への積みこみを行うプログラムセンターを開設した。これらの整備については、一切補助はなく、すべて自己調達した。