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2]行政機関が能動的に行う情報提供として、次のようなことが行われている。

国有財産制度のあらまし、現状、動向等の基礎的・包括的な情報提供については、パンフレット「くらしに役立つ国有財産」、財政金融統計月報の毎年1回の「国有財産特集」、大蔵省ホームページの「国有財産・国有宅地情報特集」において情報提供が行われている。

国有地に関する網羅的な情報提供としては、行政財産全件及び一定規模以上の普通財産に関する情報が「国有財産現在額口座別調書」に記載され、国会図書館、財務局等で一般の閲覧の用に供せられているほか、未利用国有地に関する網羅的な情報が「物件一覧表」に整理され、同じく閲覧の用に供せられている。

個別の未利用国有地の購入を念頭に置いて更に詳細な個別の情報を入手したいというニーズに応える情報提供については、物件一覧表に挙げられた未利用国有地に関する情報が「物件調書」に整理されているほか、売却物件情報誌「国有宅地」において、各種売却物件情報の提供が行われている。また、価格公示売却等で売買契約に至らなかった物件については「レインズ」に登録し、不動産仲介業者を介して情報の提供が行われている。

3]各財務局等に「国有地情報コーナー」が設置され、各種情報提供物を閲覧できるようになっている。

4]個別の国有地の処分に関して売却価格等の具体的な情報提供の求めがあった際は、面積等が一定規模以上で、かつ、契約相手方の同意が得られた場合には、情報提供が行われている。

 

(2) 問題の所在

前述のとおり、現在でも既に相当な量の基礎的情報が何らかの形で提供されているが、周知が不足しており、提供されている情報の内容及びその入手先が従来国民にあまり知られていない状況にある。また、国有財産現在額口座別調書等は、提供されている情報が網羅的かつ膨大である一方、電子情報化されていないため、閲覧、検索に手間がかかるなど、利用の便宜の面で必ずしも十分なものとはなっていないという問題があり、国民のニーズに即応した情報提供が十分なされているとは必ずしも言い難い面がある。

さらに、国有財産現在額口座別調書に記載されている国有地等の国有財産台帳価格については、時価との乖離が生じているものがあるとの指摘がある。

 

今後の国有財産に関する情報提供のあり方

(1) 基礎的・網羅的な情報提供のあり方

現在でも相当な量の基礎的情報が既に提供されているものの、国民への周知が不足しており、情報が提供されていることが認識されていないため、提供されている情報の周知の徹底に努めるとともに、情報提供のより一層の充実に努めていくべきである。

1]インターネット化を含む電子情報化

現在提供されている情報は、例えば都市圏等の具体的な情報を入手したい場合、どのような情報提供物のどの部分を参照すれば短時間で情報が入手できるのか分かりづらく、使い勝手があまりよくない面がある。このような情報の利用の便宜を向上させるため、国民のニーズの高い分野から取り組む等優先順位にも留意した上で、現行の国有財産現在額口座別調書等に記載されている所在地、数量、台帳価格に加え、土地に関して、都市計画上の用途地域や利用容積率など使用の実態を明らかにした情報を電子情報化することを前提に、インターネットを活用した国有財産情報公開システムの構築を推進していく必要がある。

2]周知の徹底及び情報の照会先の明確化

提供されている情報の内容及びその入手先が国民にあまり知られていなかったことから、現在、情報の所在をホームページに掲載する等、国民が入手したい情報がある場合の照会先の明確化が逐次図られているところであるが、今後とも提供されている情報のより一層の周知に努めるべきである。

3]報告書等の充実

国有財産制度のあらまし、現状、施策を照会するため現在作成、公表されている各種資料の更なる充実に努めるとともに、ホームページの活用による情報提供の充実、タイムリーな提供にも努める必要がある。

 

(2) 情報ニーズを踏まえ合目的的に整理された情報提供のあり方

 

 

 

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