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(2)運輸政策審議会海上交通部会答申「港湾運送事業の規制緩和について」

(平成11年6月10日)

 

I はじめに

平成8年12月、運輸省は、市場原理の導入による事業の一層の効率化、サービスの多様化を図るため、原則として各事業分野において、需給調整規制を廃止する方針を打ち出したが、港湾運送事業の需給調整規制の廃止を含む見直しについては、平成9年3月の閣議決定(規制緩和推進計画の再改訂について)において、平成9年度に行政改革委員会の審議を行ったうえ、その結論を踏まえて適切に措置することとされた。

この閣議決定を受け、行政改革委員会においては、半年強にわたり審議が行われ、平成9年12月には、現行の事業免許制(需給調整規制)を廃止し許可制に、料金認可制を廃止し届出制にすべきである、同時に港湾運送の安定化等を図るための各施策の実施及び検討が必要である旨の最終意見が内閣総理大臣に提出された。更に、平成10年3月には、行政改革委員会最終意見の内容にしたがって、必要な措置を講ずる旨の閣議決定が行われた(規制緩和推進3カ年計画)。

これを受け、昨年5月より、運輸政策審議会海上交通部会及び同港湾運送小委員会において15回にわたり行政改革委員会最終意見を踏まえた港湾運送事業の規制緩和の具体的進め方や規制緩和に伴う港湾運送の安定化策等についての審議が行われてきたところである。

本答申は、これらの審議結果を取りまとめたものである。

 

II 港湾運送事業の沿革と特性

 

1. 港湾運送事業の沿革

戦時中の統制解除後、港湾運送事業は無規制となり、荷役量が急増する中で零細事業者が乱立して、荷物の奪い合いなどにより荷役が混乱したり、暴力労務手配師が跋扈するような状況となったため、昭和26年、事業登録制及び料金届出制を内容とする港湾運送事業法が制定された。

 

 

 

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