5.6 コンテナ船(バラスト状態)と試解析船の衝突解析
最後に、詳細解析に用いられたコンテナ船を用い、同様の簡易式を用いて双方の崩壊を考慮した解析を行った。衝突の際の船首を剛としたときの船側の反力は図22左のようになる。貫入量が2300mmを超えたあたりで外板の塑性ひずみが0.3に達し、破断が起こり反力が急激に下がる。この結果は、有限要素解析の双方が崩壊するときの結果と比較的よい一致を見せており、破断ひずみ0.3の仮定は妥当であると思われる。また、コンテナ船のバルバスバウの圧壊量と反力の関係を図22右に示す。
これらの関係を用いて双方の崩壊挙動を考えた解析を行う。この解析では船首の反力の方が船側の反力より比較的大きめとなり、衝突速度が11.5knotを超えると衝突船の船首は試解析船の縦通隔壁に達することになる。この際の船首の吸収エネルギーは34MJ、船側の吸収エネルギーは116MJである。この後、縦通隔壁の崩壊が起こり破断するまでには多少の余裕があるが、やはり縦通隔壁の破断もかなり早い段階で起こるものと予想される。