ここで求めた船首、船側それぞれの崩壊量と反力の関係式を用い、それぞれの崩壊量を推定する。双方の反力がちょうど釣り合うように、エネルギー吸収がちょうど構造が吸収すべきエネルギーになるまで双方の崩壊を逐次進展させていくことにより、それぞれの崩壊量を決定することができる。
船首、船側それぞれの崩壊量と反力の関係式を求めることができれば、これにより反力が釣り合うように、双方の崩壊量を決定することができる。
5.3 T-2タンカーと試解析船の衝突解析
試解析船にT-2タンカーが15knotで衝突した際の、崩壊挙動の解析を行った。前述のように衝突船の船首を剛として、図12のように段階を追っての崩壊挙動の解析を行った。(図ではStage 4、5は省略する)
貫入量と反力の関係を図13左に示す。船側の吸収エネルギーはこの線の下側の面積になる。崩壊がある程度広い範囲にわたって起こっているため、外板のひずみは破断ひずみに達せず、破断は起こっていない。
また、被衝突船の船側を剛としてT-2タンカーの船首の圧壊挙動の解析を行った結果を図13右に示す。これらの関係式を利用して、双方の崩壊挙動を考慮した解析を行うことができる。すなわち、崩壊による変形の、もう片方に与える影響は無視し、双方の反力が常に釣り合っているという条件を考慮してと、図13をそれぞれ右側、左側に並べたグラフを図14のように描く。このとき、ある荷重の大きさで横に線を引くと、その荷重に達したときの船首、船側のそれぞれの崩壊量を求めることができ、その崩壊量に至るまでの吸収エネルギーはグラフの下の面積で求めることができる。