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明治維新前後の米欧先進諸国調査について

 

(財)海上保安協会常務理事

下江旭

 

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支倉常長の銅像の前で(アカプルコ)

 

1. かつて、大型巡視船の長期航海訓練の途路、メキシコ国アカプルコ港に寄港したことがある。林立するホテル群に抱えられるような広く美しいビーチから少し外れたところに、宮城県知事、仙台市長等の建立による支倉常長の銅像があった。

碑文によると、伊達藩士支倉常長一行が、1614年、日本人として始めて太平洋を横断して、この地に上陸したのを記念する碑である。しかも、私達も苦労して横断してきたこの太平洋を、関ヶ原の戦い(1600年)からわずか十数年後に横断しこの地に立ったのみでなく、その目的地が私自身未だ見たこともないヨーロッパであったということに驚き、その時代背景等にも興味を覚えたところであった。

2. そのヨーロッパを、日本財団補助事業の「先進諸国海上保安体制調査」の調査員として訪問する機会を得た。

平成9年度は、アイルランド、スペイン両国調査のため英国のロンドン(アイルランドヘの経由地であるため併せ調査)、アイルランド国ダブリン及びスペイン国のマドリッド、バルセロナの各都市を、平成10年度はフランス国パリ及びイタリア国ローマを訪問し、そして、今年度はドイツ国のボン及びハンブルクを訪ねた。

 

 

 

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