日本財団 図書館


【ウラジオストク港海事行政局】

極東海難救助局は、「海上生活者」なので執務室も確保できないため、旧知のヴイボロフRCC所長が、ウラジオストク港海事行政局の部屋を都合してくれていました。所長とその部下2名と私の4名が一室というまずまずの環境で、ウラジオストクの調査・研究を始めました。

 

037-1.jpg

(ウラジオストク海事行政局)

 

【ウラジオストクの変貌】

ウラジオストクを訪問するのは、約5年ぶりのことですが、市内の変貌ぶりには驚かされました。新しい道路が完成していたり、韓国系の豪華ホテルが出来ていたり、昔よく通ったカラオケ・バーがつぶれていたりしていました。ロシア経済は、悪いと言われていますが、自由主義経済は、ロシアにも根付き始めています。その証拠は、ウラジオストクの自由市場の盛況ぶりです。市場の規模が、5年前のほぼ倍に拡大していました。個人経営の小規模な露天商やキオスク程度ですが、サラリーマンをやめ、小さな事業を始める入が増えている様です。その中のある人に話しを聞く機会がありました。数学者の彼女は、海洋学者の夫と自分の給料では生活できないため、数学研究所をやめ、ちいさなキオスクの店主になったのです。毎週1回中国に仕入れに行き、化粧品等を売っています。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION