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【ビジネスクラスで極東へ】

アエロフロートは、旧ソ連時代からサービスが悪いとの評判がありますが、最近は国際線については、大分良くなってきているそうです。国内線は、まだまだのようです。ロシア国営航空会社も分割民営化され、競争が生まれたので、一部は良くなっているらしいとの噂を信じて、2月11日モスクワ発ウラジオストク行きアエロフロート725便に乗ってみました。ちゃんと、ファースト、ビジネス、エコノミーの3クラスがあり、ビジネスクラスを予約、値段も片道170ドルと安価でした。しかし、乗ってから気づいたのですが、「ビジネスクラス」と言っても、座席はエコノミーと同じ大きさで、前後間隔が多少長いだけ、エコノミーとの大きな違いは、機内食の有無だけでした。モスクワ・ウラジオ間は、飛行時間約10時間、狭い座席は拷問です。隣に誰が座るのかと見ていると、体重100キロ超級のロシア人が、近寄ってきました。どうやら、私の隣席のようですが、客室乗務員に何やら文句を言っています。「ビジネスクラスなのに椅子が小さすぎる」などと言っているようです。結局、その巨漢ロシア人は3列席の真中の席を他の人に譲り、通路側に座ったので、窓側の私は胸をなでおろしたのでした。機内食サービスは、ちゃんとあるのですが、ロシア人は、まず最初の飲み物サービスで、少なくとも飲み物を3つ以上注文するようです。ウオッカ2杯、ミネラルウオーター1杯など、そして次ぎに食事が配られる時に、再び飲み物を3つ以上注文。その巨漢ロシア人氏は、その後も何度もウオッカのお代りをしていました。

【海上生活者】

極東海難救助局という組織が、ウラジオストクにあり、救助船や防除隊を持っています。これは、ウラジオストク海難救助調整本部(RCC)とは、別の組織です。極東海難救助局は、金角湾の奥部にあるということで、ロシア製おんぼろジープで案内してもらいましたが、岸壁に救助船が係留してあるものの、それらしい建物が見あたりません。案内の人は、「作業台船」という表示の100トンほどのおんぼろ台船にすたすたと乗っていきます。跡を付いて行くと、その作業台船の1階は旋盤機械等の工場、2階が事務室で、極東海難救助局長さんの執務室もそこにありました。まるで、町工場のおやじさんという雰囲気ですが、日本にたとえれば海上保安庁が「海上」にあるという酒落にならない状態でした。

 

 

 

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