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[交通]

(車)自動車に縁が無かったのと、昭和から平成に元号が替わったおかげで、学生時代に取得した自動車運転免許を失効するという失態を演じてしまい、回りから(そう特に女性から)「え〜っ!車の免許もないの????」と殆ど一人前扱いされない侘しさ(そう保安部でも警備用車使用者リストから一人漏れていたなあ)に別れを告げるべく、一念発起し自動車学校に通い、昨年1月再取得に成功した。初めてのオーナードライバーになって単独運転する栄誉をロンドンで味会うとは夢にも思わなかったし、どんな車を買うかなんてアイディアも無いまま、日系ディーラーに赴き、車の色、座席空間の広さ、シートの良さという視点(要は送迎向きかどうか)でドイツ車の中古を購入した。

小切手での一括支払いということであったが、こちらの銀行に口座を開設(こちらでは小切手がポピュラーで開設すると小切手帳が送付される。)したばかりで金はないし、残念ながら海外送金手続きもしていなかった。仕方がないので、自動支払い機(ATM)で引き出した現金を口座入金するという方法を用いたが、1日に引き出せる金額が決まっており、こちらのATMは1回の最大引出が£500(約10万円)と制限されているので、1週間銀行に日参し「多額の現金を引き出し、窓口に移動して口座入金するという極めて怪しい行動」に出て、受け付けに事情を説明して「あと○日ね。」と励まされながら、支払いを終えた。

納車も終えて、暫く駐車場の飾りの役目しか与えていなかったが、オートショップで初心者マーク(緑色のPマーク)を見つけたことをきっかけに、前後左右の計4箇所にPマークを付けて取り敢えず家の付近をウロウロ。事前情報によると「ラウンド・アバウト」と呼ばれる日本には無いシステムのクロス部分(実際に交差はしないが、日本で言う交差点の部分)での事故が多いとのこと。要はこのクロス部、常に時計回りになっており、右側から来る車に優先権がある。したがって、右に行きたければクロス部の中央の円に沿って、途中車線を変更しつつ270度回転し目的の進路に向かうという方式であり、中央の円は直径1mのものから、時として公園全部、町の1ブロックがそのまま当てはまることもある。トラファルガーの海戦で英国に勝利をもたらせたことで有名な「ネルソン提督」(の像)がいらっしゃるトラファルガー広場なども大きなラウンド・アバウトの一つである。

 

 

 

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