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倫敦突撃物語(ほんのサワリ)

 

日本海難防止協会ロンドン事務所

徳永重典

 

同期の国際課M渉外官からの原稿依頼だと断ることも出来ず、真面目な仕事の近況は既に他誌掲載済みでもあるし、「何でも良いからじゃなくて、何かテーマを決めてよ?」と問うたところ、「30代最後の冒険!不惑前のロンドン独身物語……なんてどう?」と来たもんだ。

「もう直ぐ40だろうが、未だに独身だろうが大きなお世話だ。40(つい最近迎えたが)はお互い様でしょ。」と思いつつも、昼休みの読み物程度という感じで適当に書いたので、適当に読んで頂ければ幸いです。

[衣食住]

国内転勤のときは、「住居地から半径500メートル内に気の効いた喫茶店、クリーニング屋、コンビニ、散髪屋があればグッド!」と思っていた。

(住)出きる限り早急に住居を決めて基盤を固めるのが得策と出国前から、やれ「多くの芸術家やお酒落な人に人気のチェルシー(ハイドパークという大きな公園の南側で、デパートのハロッズが近い所)とな?俺にピッタリじゃないか!」なんて勝手に見当をつけていた。そのチェルシーにある何軒かの不動産に飛び込んだものの、言葉の障壁は大きく細かい部分が理解できない。結局は滞在中のホテルから日系不動産に電話したら、「お泊りのホテルの近くに良い物件がありますので、ご覧下さい。」との返事。早速見に行くと、ホテルから僅か200メートルの「地下鉄に便利。出張者が利用するホテルも近い。」所であったので、翌日にはトランクを引きずって引越し完了。家具付なのでその日から取り敢えず生活を開始。

住まいはフラットと呼ばれる集合住宅で、一応管理人がいるが、このコックニー(ロンドンの下町っ子)のオヤジが「○×▲□◎△……中略……ダイ……×▲□オオカイ」(ダイとしか聞こえないが、誰か亡くなったのかな(die)?まだ知り合いはいないしなあ??オオカイとは何ぞや???何度も聞き返してオヤジも嫌そうな顔になってきたなぁ……(暫く見詰め合いながら)……ああそうか!「今日(トゥダイ)は窓の修理人がくるよ。OK(オオカイ)?」と言っているのか!そう言えよな!!)と非常に判りにくい言葉を喋るが、最近なんとなく(雰囲気で)オヤジの言葉も聞けるようになってきた。これから、オヤジに日本語の挨拶を仕込むとするか。

 

 

 

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