日本財団 図書館


インドネシアには300以上の民族、言語は250以上あるといわれており、現体制に不満を抱いている民族にとって、政治体制が変革するであろうと予想されている現在、自分達のアイデンティーを主張する好機となっています。東チモールの独立運動はそのよい例であり、アチェ特別州(スマトラ島北部)やイリアンジャヤ州に大きな影響を与えています。

このような気運に中央政府は連邦制の導入や地方分権等の政策を模索しています。先日、海運総局が地方事務所の長を招集した会議で、ワラー海運総局次長が組織改革を熱っぽく説明していました。プレゼンテーションはインドネシア語でしたから詳細は理解できませんでしたが、内容は地方組織の強化、中央組織の縮小簡素化と思われます。

6月の総選挙は無事に終わり、今後は8月30日の東チモールの住民投票と11月の大統領選挙が焦点となっています。しかし、これらの一連の政治日程が予定どおり実施されたとしても予断は許されません。政治が安定し、民族対立を克服するには時間が必要です。どのくらい時間が必要なのか想像もつきませんが、インドネシアは世界で一番豊かな国と思っていますから(経済力ではない)いつの日か必ず、争いのない豊かな国になってくれると信じています。日本の皆様にもこの国が本来の姿になるまで温かな目で見守っていただくことを願って止みません。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION