日本財団 図書館


013-1.jpg

 

ウラジオストクにおける協議時には、モスクワの協議時とは違い、協議場となった市庁舎には大量のプレス関係者がおしかけ、「シマが隣接している」こともあってか、現地の日本総領事館からだけでなく、国境警備庁側からも同様に、フル・アテンドを超える「熱烈なる(?)歓待」を受けることとなり、私個人としては、特に車両で移動する際の「交通ルール御免のパトカー先導・護衛による送迎」には、「身の引き締まるもの」を感じたところです。

 

4. 終わりに

過去の協議の結果をみても、今回の協議中のロシア側の発言をみても、ロシアの国境警備庁は、日本の海上保安庁との協力の拡大を強く望んでいることが明らかであり、今後も引き続き、ロシア側から協力分野の拡大等について、機会あるごとに提案してくることは確実です。また、今後も、一昨年8月の「領海、大陸棚及び排他的経済水域における生物資源の保護についても国境警備庁の責務に加えられる」旨の大統領令をきっかけとした海洋生物資源保護部局の勢力の国境警備庁への移管といったような「組織改編」が行われ、国境警備庁側が協力を提案する分野が変化していくことも考え合わせれば、当庁としては、国境警備庁との協力のあり方について、周辺地域の状況の変化や両国の国内情勢の変化等を考慮に入れ、一方では長い目で大勢を見据えつつ、逐一、検討していくことが必要ではないか、と今回の協議を通じて感じているところです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION