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反省事項ということになるのでしょうが、やはり、このあたりは急ぎすぎるくらい、しつこすぎるくらいにこちらから働きかけるべきであったか、とは思います(同時にどんなにこちら側ががんばっても無駄な時には無駄であり、ある程度「あきらめに似た開き直り」も必要なのではないか、と個人的には感じましたが……)。

ただ、私は「逆の方向から考えれば、この辺におけるロシア側の『手際の良さ(?)』を評価してもいいかもしれない……」と考えています。私の推察では、ロシア側が日本側との準備・調整を本格的に開始したのは協議の前の週の月曜日であり(実を申せば、協議の準備段階において、ロシア側の対応があんまりにも「のんびり」しているので、私自身「本当に開催するつもりなのだろうか?」と心配するところがありました)、そうだとすれば、わずか1週間のうちに、開催国としてここまでsubstance及びlogisticsの両方において組み上げたわけで(当庁が逆の立場だったらできるだろうか?)、少なからず感心しているところです(もっとも、実際には、これは在モスクワ日本大使館の関係者の方々の血のにじむような精力的な調整の賜であろう、と考えております。あらためて心から感謝申し上げたいところであります)。

(3) ウラジオストクでの協議等の状況

今回の第4回協議では、モスクワにおける正式な協議の後、日本側は第八管区及び第九管区海上保安本部からの職員も加え、ウラジオストクにあるロシア連邦国境警備庁太平洋地域局との間で意見交換を実施しました(露側団長:アガネシャン太平洋地域局第一次長)。この意見交換では、これまで行ってきた薬物・銃器の不正取引に関する情報交換の実施等の協力の今後のあり方、さらには平成11年3月の能登半島沖不審船事件への対応について現場レベルでの細かい情報交換・意見交換が行われました。

また、2日目には車で3時間程の距離にあるナホトカの国境警備隊の船艇基地に赴き、基地司令官らと警備艇の運用等についての意見交換を実施した他、警備艇(平成11年3月の不審船事件の際に出動した警備艇とのこと)の視察の機会を得ました。

 

 

 

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