実際の協議については、日本側は警備救難部参事官を、ロシア側はシェハレービチ中将(国境警備庁国際条約局第一次長、第2回協議から団長をつとめている)を団長とし、それぞれ両国の外務省からの参加(日本側からは在ロシア日本大使館参事官他)を得て実施され、これまでに海上保安庁と国境警備庁と間で実施している協力(例えば、薬物及び銃器の不正取引等についての情報交換)のあり方、さらにはそれぞれの国が、今後、海上警備当局間での協力が必要である、と考えている分野について発表及び意見交換が行われました。
この協議においては、特にこの「今後、協力が必要である、と考えている分野」について、本来であれば、ロシア側の関心事項について、日本側でも十分に調査・検討して対処要領等を準備し、協議の場に臨まなければならないところでありますが、今回の協議では(過去の状況からみて、ある程度予想はついていたのですが……)協議の直前までロシア側の関心事項が明らかにならなかったことから(実際にロシア側の本当の関心事項が正式にすべて明らかにされたのは協議の場においてであった)、結果として、協議の現場においても(日本側においても)何とか格好をつけるためにバタバタと苦労する結果となりました。